国有5大銀行の不良債権残高、約4兆5千億円超過

 中国工商銀行(Photo/Getty Images)

【大紀元日本4月9日】中国国営通信社新華社傘下の新華網は3月29日、中国国有5大商業銀行の不良債権残高が3000億元(約4兆5000億円)を超え、約3274.28億人民元(約4兆9114億2000万円)に達したとし、これまで国内で最も利潤の高かった銀行セクターが現在厳しい試練に直面していることを報道した。

新華網によると、中国工商銀行、農業銀行、中国銀行、建設銀行、交通銀行が発表した年度決算報告では、5大銀行の昨年の総純利益は7746.29億元、不良債権残高は3274.84億元に達していると発表されており、不良債権残高が総純利益に占める割合は42%に上る。

また、各銀行の年度決算報告からみると、これまで20%台、30%台と高水準で推移してきた収益の増長率には鈍化が目立つ。2012年度農業銀行の純利益の増長率は前年比19%と、他の4大銀行と比べるとやや高めだが、工商銀行、中国銀行、建設銀行、交通銀行の純利益の増長率は10%台に落ち込んでいる。

新華網は、国内銀行セクターにおける不良債権残高について「ピークに達していない」と報道。国内の太陽光発電業、造船業、鉄鋼業などのセクターでは過剰生産問題が深刻で、不良債権を増加させる直接的な原因となっている。また、製造産業が最も集中する長江デルタにおいては、資金調達難で一つの企業が倒産すれば、企業経営の危機は、資金関連のある十数社、数十社に及びかねないという現状も、銀行セクターの不良債権リスクを高めていると指摘した。

(翻訳編集・張哲)
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