パレスチナ・イスラエル両首脳訪中 和平交渉役で影響力強める狙い

【大紀元日本5月7日】中国の首都・北京を訪れているパレスチナ暫定自治政府のアッバス議長は6日、習近平国家主席と会談した。中国は今週、イスラエルネタニヤフ首相も北京に招待しており、中東和平の仲介役を担おうとしている。エネルギー資源の取引先である中東への影響力を強める狙いがあると見られている。

仏AFP通信によると、アッバス議長は中国に対して「イスラエルとの関係を利用して、パレスチナ経済に障害となるものを取り除くように」要求したという。ネタニヤフ首相の訪中にあわせて、「中国が双方の意見を聞くのはいい機会だ」と加えた。

アッバス議長は7日夜に中国を離れる。イスラエル当局によると、ネタニヤフ首相は8日に北京に到着するため、双方は対面しないことになる。

パレスチナ・イスラエルの両リーダーの訪中は、和平交渉よりも中国の外交姿勢の変化が注目されると米紙ワシントン・ポスト(ウェブ版)は指摘する。「(中国が仲介する)和平交渉は、中国の経験、投資力、外交力に注目が集まる。世界情勢の不安定要素として(両国で)たとえ何かが生じても、大国にまで進化した中国は責任を取ろうとするだろう」

さらに他外国の影響力強化について、「中国はこれまでもアルジェリアやサウジアラビアに見られるように、投資と開発プロジェクトによって中東に影響力を与えてきた。シリアやイランへの国際制裁には反対し続けている。同時に、両国からは大量の石油取引を続けている」とのべる。

また中国の国際的な立場について「イスラエル・パレスチナ和平交渉の仲介役を買って出たということは、(これまでのように資源目的で)勝手に振舞うわけにはいかず、国際的ルールを守ることに関して真剣に向き合わなければならないだろう。結局、欧米主導の自由貿易・世界安保のルールにのっとらなければ、輸出主導の中国の成長はありえない」と分析した。

 (翻訳編集・佐渡 道世)
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