名監督張芸謀に7人の子供? 政府系メディアが一斉に批判

【大紀元日本5月10日】中国の主要政府系メディアは、世界的に有名な映画監督・張芸謀氏(61歳)のスキャンダルを一斉に報道した。女性関係や、隠し子を含む7人の子供を持つ(一人っ子政策違反)などの疑惑が伝えられ、当局はすでに調査に乗り出している。江沢民元国家主席の御用監督だった張芸謀氏はまさかの大ピンチに陥っている。

7日、政府系ニュースサイト「新華網」「人民網」はそろって同監督の疑惑を取り上げた。30歳年下の女性と再婚し、2男1女をもうけたが、さらに複数の女性と不倫関係にあり、「少なくとも7人の子供のパパである」と隠し子の存在を指摘するなど、同氏のスキャンダルを満載した。

8日、「新華網」はさらに評論で、同監督に重婚罪と一人っ子政策違反の疑惑がもたれていると批判した。「道徳と法律の両方において、厳しく追究されて罰せられるべき」としている。

「人民網」も、一人っ子政策違反が事実であれば、1.6億元(約26億円)の罰金を課される可能性があると報じた。

一方、同監督の妻の戸籍所在地である江蘇省無錫市はこの件について、「規定に基づき、違反がある場合、処罰する」とコメントした。

同監督は、1980年代後半から90年代の前半にかけて、『紅いコーリャン(紅高梁)』、『菊豆』、『秋菊の物語(秋菊打官司)』、『生きる( 活着)』などのヒット作を生み出し、世界でも高く評価され、数々の賞を授与した。

芸術家としての実績を順調に積み重ねた彼は、2002年、中華統一を果たした秦の始皇帝を題材とする映画「英雄―HERO 」を製作した。しかし、同映画はチベット、ウィグルへの弾圧や中台問題を正当化したい当局の狙いを内外にアピールするための政治映画だと評されていた。同映画は当時の江沢民国家主席の指示で製作されたとの説もある。これをきっかけに、同監督は江沢民のお気に入りとなり、北京五輪開会式の総プロデューサの座を掴んだ。

中国人と世界の人々がひとつの家族であることを表現するため、開会式で「五十六」の民族(チベット民族、ウイグル民族、さらには台湾原住民も含む)の子供たちをパレードに参加させた。のちに、子供らはいずれも漢民族であることが発覚した。

さらに、中国国旗が五輪メーン会場の国家体育場(愛称・鳥の巣)に入る際、9歳の少女が革命歌曲を歌う場面が有ったが、実際は別の7歳の少女が歌った“口パク”だったことも後日、分かった。 「対外的な印象を考えた。国家利益のためだ」と説明されている。

同開会式は、張芸謀氏が当局に忠誠心を示す「手厚い土産」とも揶揄されていた。

香港の政論誌「開放」の総編集長・金鐘氏はその後、「この開会式は中国共産党思想の固まりだ」とし、同監督は完全に当局のイデオロギー宣伝の道具となったと評した。

しかし、中国当局に忠誠心を見せてきた張芸謀氏がなぜ政府系メディアの批判の的になったのか。

米国在住の中国問題専門家・周暁輝氏は「同氏を寵愛する江沢民元国家主席はすでに勢力の基盤を失っている、よって、道連れにされるのは当たり前のことだ」とみており、習近平主席による江沢民一派への粛清だと指摘した。

(翻訳編集・叶子)
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