中紀委「直訴者を取り締るな」と明言 政法委と対立か

【大紀元日本5月12日】中国共産党中央紀律検査委員会(以下・中紀委)の幹部らがこのほど公の場で、直訴者への取り締まり、行政処分、労働教養所収容について、「間違ったやり方であり、断固として根絶する」という「明確な方針」を示した。それに対して、「中紀委と政法委(直訴者を取締る)は意見が対立している」との見方がある一方、多くの直訴者は「(中紀委)口先だけの綺麗事だ」と消極的に受け止めている。

北京にある中央政府の陳情機関「国家信訪(投書・陳情)局」には全国各地から直訴者が訪れている。一方、各地の政法委は社会安定を維持するとの理由で、彼らを捕まえて地元に強制送還し、行政処分を科す。その結果、多くの人は労働教養所に入れられる。

7日、中紀委で陳情活動を管理する信訪室の張少龍・副主任等幹部は国営通信社・中新社のネット配信対談番組に参加し、ユーザーの質問に答える形で、冒頭の方針を打ち出し、「中紀委は、このような対応を明確に禁止する」と付け加えた。

中紀委と政法委の方針が根底から食い違っていることについて、米国在住の中国問題専門家・夏小強氏はこう分析した。「指導部では、労働教養制度の見直しと同様に、直訴者の扱いについて、それぞれの勢力がそれぞれの立場をとっている。こうした実状は政権内部の分裂を露呈している」

一方、中紀委の幹部らの「優しい態度」に、直訴者とネットユーザーらは冷ややかな目でみている。

北京大の法学修士で北京在住の人権活動家・曹順利さんは米国の海外向け放送ボイス・オブ・アメリカ(VOA)の取材に対して、「彼らはいつものような絵空事を繰り返している。私はもう信じない」と言い放った。

国内著名な弁護士・陳有西氏は、自らのミニ・ブログ(微博)に中紀委のこの新方針を書き込んだものの、寄せられたコメントは不信感を示すものばかりである。「わが政府機構は完全に信用を失ったのか、それとも国民の心は冷え切っているのか。現実はやはり皆が言う通りで信頼できないものなのか」と陳氏は嘆いた。

 (翻訳編集・叶子)
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