スパイ容疑で元人民軍職員を拘束 ダライ・ラマ14世や亡命政府の情報収集

【大紀元日本5月27日】インド警察は24日までに、偽造した身分証明書を所持していた中国人民解放軍の元職員で亡命チベット人の男を同国北部ダラムサラで拘束した。 拘束前、スパイ容疑でこの男を取り調べたチベット亡命政府の治安部署によると、男は亡命政府の情報を入手するため同市に来ていたと供述したという。亡命政府は、男を中国当局のスパイと見ている。

亡命政府は最近、「中国当局はインドのチベット人居住地にスパイを潜伏させ、情報収集と亡命チベット人の暗殺を図った」と中国当局を非難する声明を発表した。それによると、中国当局は計画的にスパイを送り込み、ダライラマ14世の活動や、亡命政府およびNGO団体に関する情報の収集しているという。

亡命政府は、この男の詳細と写真を公開した。男はペンパ・ ツェリン(33歳、男)。チベット人で、中国人民解放軍に服役した後、2年間にわたりスパイの養成訓練を受け、2009年に中国当局の命令で亡命チベット人としてインドに入国した。

ツェリン容疑者は最近、「チベット人のテロ活動をねつ造する」との任務を遂行するため、2人のチベット人青年を毒殺しようとしたが、未遂に終わった。この事件により身元が判明し、亡命政府が取り調べを行った結果、中国のスパイであることを自ら認める供述をしたという。

また、中国当局から計2万ドルのスパイ活動の経費を得たとも述べており、声明文では、「ツェリン容疑者はスパイであるという人的・物的証拠がすべて揃っている」としている。

一方、インド警察当局の取り調べに対して、男はスパイ容疑を否認しているとの情報もある。

チベット亡命政府の幹部は、米国の海外向け放送ボイス・オブ・アメリカ(VOA)の取材に対して、中国当局はインドのチベット人居住地に多くのスパイを潜伏させていると話している。

中国当局は2008年に起きたチベット自治区での大規模抗議活動について、当初からチベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世の指示で行われたものだと主張しているが、関連の証拠を示していない。そのためスパイ活動を通じて「亡命チベット人が『テロ活動』を図った」との関連情報を探っていると見られる。

亡命政府の声明に対して、中国当局は現時点でまだ反応を示していない。

 (翻訳編集・叶子)
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