脱北者送還 中国当局は否定 国連発表を非難

【大紀元日本6月5日】中国外務省の洪磊・報道官は3日の記者会見で、国連に指摘された直近の脱北者強制送還について、「無責任な発表だ」と厳しく非難した。

国連難民高等弁務官事務所は5月31日、ラオスで身柄拘束された脱北者9人は、中国経由で北朝鮮に強制送還されたと発表し、中国とラオス当局に対して、事実関係の説明を求める意向を示した。

洪報道官は今回の記者会見で、「国連難民高等弁務官事務所は、未確認情報に基づいて無責任なことを発表すべきではない」と反論。北朝鮮の9人は5月28日に中国から北朝鮮に戻ったことを認めたが、北朝鮮側は一行の強制送還を要求していないとし、「この9人は27日に中国に入り、28日に中国から北朝鮮に帰った。全員合法の身分証明書とビザを所持していた」「中国出入国審査機関が彼らの旅行書類を確認してから、出国を許可した」と主張した。

一方、韓国聯合ニュースの報道によると、9人は全員脱北者で、年齢は15歳~23歳、5月16日にラオスで身柄拘束された後中国に移送された。そして、5月28日にはピョンヤン行きの旅客機に乗せられて北朝鮮に強制送還された。

脱北者への中国当局の政策を問う記者に対して、洪報道官は、「中国政府は一貫として国内法と国際法、人道主義の原則に基づいて、関連の問題に対応している」といつもの論調を繰り返した。

中国当局はこれまで、脱北者を「経済移民」と称し、通常、北朝鮮に強制送還する措置を取ってきた。脱北問題を「国際問題・政治問題・難民問題とすることに一貫して反対している」。洪報道官はこの日の会見でも強調した。

記者会見の内容は海外の複数の通信社が配信したものの、中国外務省の公式サイトには掲載されていない。

(翻訳編集・叶子)

関連記事
人気オンラインゲーム「アクシー・インフィニティ」ソフトウェアに対するハッカー攻撃で6.15億米ドル(約780億 […]
[東京 24日 ロイター] – 海上保安庁は、防衛省の情報として、24日午後に北朝鮮から発射された […]
[ジュネーブ 21日 ロイター] - 国連のトマス・オヘア・キンタナ北朝鮮人権状況特別報告者は21日、北朝鮮に対し、政治犯収容施設で劣悪な環境に置かれた多数の人々を解放するよう呼び掛けると同時に、国際社会に核問題とともにこの問題を取り上げるよう促した。 キンタナ氏は、2014年の国連調査で最大12万人が収容施設で拘束されていることが判明したとし、その後も施設に関する報告を受け続けていると述べた。
[東京 11日 ロイター] - 松野博一官房長官は11日の閣議後会見で、北朝鮮による一連の軍事的な行動について、日本や国際社会の平和と安全を脅かすものであり、断じて容認できないと述べた。 防衛省は11日、北朝鮮が2月27日と3月5日に発射したミサイルを米政府と連携して分析したところ、いずれも大陸間弾道ミサイル(ICBM)級だったことが分かったと発表した。当該ミサイルの最大射程での発射試験を行う前に
[ソウル 4日 ロイター] - 米国の北朝鮮研究サイト「38ノース」は4日、商業衛星写真を基に、北朝鮮の寧辺(ヨンビョン)核施設の活動が活発化しているとの見方を示した。 核分裂性物質の生産が行われているほか、施設拡大に向けた基礎工事が進められており、近く実験用軽水炉(ELWR)の稼働が始まる可能性があるという。ただ、プルトニウム抽出のために使用済み核燃料を再処理する放射化学実験室の能力拡大に向けた