労働教養所の実態を暴露したジャーナリスト、行方不明

「鬼の頭上にいる女たち」の制作の感想を語る杜氏(大紀元)

【大紀元日本6月11日】中国の労働教養所で行われた拷問に焦点を当てたドキュメンタリー映画の監督でジャーナリストでもある杜斌氏(41歳)は5月末から行方不明となっている。中国の公安当局に身柄を拘束されたとみられる。

同氏の安否を案じられる中、中国の著名な人権活動家・胡佳氏は7日のツイッターで、5月31日に杜氏が自宅から北京市公安局に強制連行されたと明かした。

ニューヨークタイムズ紙のカメラマンだった杜氏は六・四天安門事件を取り上げる著書を発表するなど社会問題に強い関心を持つ。

今年4月、杜氏が制作したドキュメンタリー映画「鬼の頭上にいる女たち」が香港の書店「1908書社」で初上映。この映画は遼寧省瀋陽市にある馬三家労働教養所の元女性囚人を取材し、収容された直訴者と法輪功学習者の女性たちへの各種の拷問を詳細に記録した。 

杜氏の行方不明は自身の作品である「鬼の頭上にいる女たち」映画と著書に関連しているとみられる。

映画を観た胡佳氏は、「これまでに法輪功関係者が繰り返し訴えてきた拷問・虐殺の実態は、この映画を通して改めて立証された」と語った。

また、杜氏は8年間をかけて資料を収集して書き上げた著書「天安門虐殺」もこのほど、香港で出版されたばかり。「1989年6月3日~4日の夜、政治改革を求める学生たちへの虐殺を目撃した北京市民たちは何をしたのか、この一冊を通して今生と後世の人に知ってもらいたい」」と話していた。

杜さんの所在が分からなくなってから、「鬼の頭上にいる女たち」で証言陳述した元女性囚人の劉華さんは大紀元時報の取材に対して、彼を救出するためインターネットでの署名活動を計画していると話した。

ニューヨーク・タイムズ紙の関係者は中国警察当局に杜さんの捜索願いを出したが、受理されなかったとの情報がある。

また、国際ジャーナリスト連盟(IFJ)は中国当局に同氏の釈放を求める声明文を出した。同連盟香港地区の胡麗雲代表は、「杜氏はジャーナリストとして、作家としての役割を果たしただけ、政治的迫害を受けるべきではない」と当局を非難した。

当局はこの件について、コメントを発表していない。

(翻訳編集・叶子)

 

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