北京空港爆発事件 「社会に追い詰められた犠牲者」と同情の声が続々

【大紀元日本7月22日】北京首都国際空港で車いすの男が起こした爆発事件で、中国メディアは21日、この男は広東省の治安要員から暴行を受けて重度の障害を負ったとして、当局を相手取り訴訟を起こしたが敗訴し、その後も直訴を繰り返してきたと報じた。一方、市民から「この社会が追い込んだ犠牲者」と同情する声が上がっている。

男は山東省出身の翼中星(34)。20日夜、空港で手製の爆発物を爆発させ、翼と警備員の1人が負傷した。男は搬送先の病院で左腕の切断手術を受け、その後警察当局に身柄を拘束された。

メディアの報道によると、2005年6月に出稼ぎ先の広東省東莞市でバイクタクシーを運転していたとき、現地当局の治安要員に止められ、鉄の棒で頭部を殴るなど激しい暴行を受けた。その後、病院で脊椎損傷と診断され、車いすの生活を余儀なくされた。2007年1月、翼容疑者は当局を相手に損害賠償を求める訴訟を起こしたが、「証拠不十分」などの理由で敗訴となった。

その後、翼容疑者は北京に出向き、直訴を繰り返してきた。事件当日、東莞市政府は報告書を発表し、暴行事件について、「治安要員と衝突した際、転倒して負傷した」と治安要員の責任を否定した。同報告書によると、2010年3月30日、翼容疑者は公安当局から10万元(約160万円)の救済金を受け取った後、「直訴を止める」という内容の誓約書に署名したという。

爆発事件を受け、同省公安庁は当局の対応に問題がなかったかどうか調査に乗り出した。

インターネットの利用者を中心に、同情の声が上がっている。

「爆発事故の前になぜ再調査しないのか」

「法律は弱者を守らなかった」

「(爆発という)過激な行動を取らなければ、誰も振り向いてくれない」

「この不公平な社会は彼を追いつめた」

「国民の政府への感情は失望から敵視へと変化し、そして今は政府を見捨てた」

一部の情報によると、翼容疑者は爆発させる前に、通行人に避難するよう警告したという。

(翻訳編集・叶子)
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