【ぶらり散歩道】ー長野篇ー 真田邸(新御殿跡)-国指定史蹟-

【大紀元日本8月1日】JR長野駅善光寺口からバスに乗って約30分、旧長野電鉄屋代線の旧松代駅で下車して約7分で真田邸に着く。真田宝物館の裏手にあるので、自動車で来られた方は宝物館前の駐車場を利用されると便利だ。宝物館からは歩いて2分の距離である。

新御殿は1864年(元治元)に、9代藩主・真田幸教によって造営された。当初は幸教の義母・貞松院の住まいだったが、明治以降は真田家の私邸になり、1966年(昭41)に松代町に譲渡されている。庭園や土蔵などを含めた御殿建築が、現代まで残っているのは全国でも例がないといわれている。ここの御殿建築は、表(公的な行事、儀式の空間)より奥(私的な生活空間)に重点が置かれた造りになっている。

新御殿は造営当時、松代城三の堀の南に接して造られていて、1981年(昭56)に松代城と一体のものとして、国史跡に指定されている。正式指定名称は、「松代城跡附新御殿跡」である。

御殿(主屋)は中庭を中心に造られており、延べ面積は約880㎡、30以上の部屋と、とにかく広い。御化粧之間の天井には、花鳥の唐紙が貼り付けられていて表の質素な座敷と比べると、贅沢な造りになっていることがわかる。

庭園は松代の山々を借景にした座観式で、池を中心に低い築山と三尊石を配した池泉である。御居間の縁側に座って、遠くに霞む山々を眺めていると、松代藩10万石の城下町に時がゆっくり過ぎていった。

真田邸 開館時間:9:00~17:00 
入場料:真田宝物館・真田邸・文武学校共通券500円
休館日:毎週火曜日(祝日の場合は開館)

漆喰仕上げの土蔵(土蔵は7棟ある)

御居間から見た庭

御居間から表座敷を見る

(江間十四子)