強制労働所の収容者、年末までに全員解放=広東当局

【大紀元日本9月30日】広東省当局は、広州市内の労動教養収容所(以下、労教)の全ての収容者を2013年末までに解放すると最近、発表した。同局はすでに3月に労教への収容を停止している。

現地メディアの電話取材を受けた広州中級人民法院(地裁)の余明永副院長は「法律専門家や警察も労教の『時代遅れ』という欠点を認識している」とし、「多くの勾留者は解放された後も社会、仕事、家族との正常な生活に支障をきたしている」と述べた。一方、中国日報の取材に対して、広州公安当局、警察当局は回答を拒否している。

広州大学教授の王達氏は同紙の取材に対して「労教は、中国がまだ先進国並みの法制度が整っていなかったとき、社会秩序を保つために作られた制度だ」「法的手続きを無視し、市民の権利を侵害するシステムは終わらせなければならない」と述べた。また、裁判なしの教養所送りは、警察の腐敗と権力乱用を引き起こすと付け加えた。

今年初め、中国国内では労教が廃止されるとの報道が流れたが、直後に「改革が実施される可能性がある」に言葉は置き換えられた。李克強首相は3月、年末までに労働収容所制度の廃止に関する詳細な計画が提出されると発言した。

労教は中国当局にとって隠したい「暗部」。拷問や虐待が酷いと伝えられている遼寧省瀋陽市馬三家労働教養所の実態についてのドキュメンタリー映画を作成したジャーナリストの杜斌氏は6月、行方がわからなくなっている。また労教に収容されていた元収監者を取材した香港誌「Lens(レンズ)」が行った調査報道の記事は、公開からわずか2日間ほどで検閲対象となり閲覧できなくなった。

労教は、公安当局が「社会秩序を乱した」などの軽犯罪者を司法手続きなしに強制労働に従事させることができる中国独特のシステム。人権活動家や陳情者、信教者など、当局への異見者が強制収容される。制度は1957年に始まった。中国政府の発表(公称)では、全国に約350カ所あり、約26万人が収容されているという。

(翻訳編集・佐渡 道世)
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