台湾国防白書「中国は2020年までに台湾侵攻整える」強制統合のため

【大紀元日本10月11日】台湾国防部(国防省)が9日に発表した国防白書によると、中国は2020年までに台湾を強制的に統合させるため侵攻する準備と能力を整えるという。緊迫した白書の内容は、馬政権になり台湾と中国は経済関係が太くなったものの防衛においては特に台湾の緊張が続いていることを伺わせる。

白書は、中国軍が国内製造あるいはロシアから輸入した兵器、原子力潜水艦、ステルス戦闘機、対空防衛ミサイルなどの陸海軍用機・兵器を2020年までに完備することで、台湾が米国などの同盟国から支援を受けても、実効支配が可能になると予測した。

中国は現在、約1400基のミサイルを台湾に向けているが、その数は年々増加している。さらに中国空軍は「無給油で台湾まで届く距離に先進の航空機を多数配置している。対台湾に対して地上、上空作戦の行う上で重要な役割を発揮する」という。

また台湾の官民のネットワーク・ツールに侵入して情報工作を仕掛ける能力も強化していると記されている。

台湾国防部は中国海軍が近年入手した航空機の搭載が可能な強襲揚陸艦2隻の存在にも懸念している。この用意について、米軍が2014年に就役させる予定の、航空運用機能を増強した「アメリカ級強襲揚陸艦」に対抗したものとみられる。

台湾国防部戦略局長の程雲鵬氏は今週開かれた記者会見で「2020年という時間は、中国が台湾を制圧する能力増強までの概算」と答えた。会見で台湾国防部は、中国海軍に対抗するために台湾が開発した対艦ミサイル「雄風Ⅲ」の存在も強調し、ロッキード社から哨戒機P-3を今月購入したことも明かした。

台湾は、唯一の武器供給国である米国に軍事力を依存している。10月初めに米国ワシントンで開かれた米台防御会議で、台湾の国防相代理は潜水艦を購入するとの希望を米国側に伝えた。7月にも、F35ジェット戦闘機の購入の意思を伝えている。

しかし兵器供給について米国は中国の「睨み」を気にしている。2001年、中国が台湾の領有権を強く主張するのに屈し、米国はかねてから了解していた潜水艦8隻の販売を渋った。また2011年にも、新たなF16戦闘機の購入を希望した台湾に対し、既存の航空機の改造を提案したため、一部の米国議員から反感を買っている。 

(翻訳編集・佐渡 道世)
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