中国宣伝部元トップの最期の言葉、「わが国が世界に災難をもたらす」

【大紀元日本10月12日】3年前に亡くなった中国共産党中央宣伝部(中宣部)の元トップ、改革派長老の朱厚澤氏(享年80歳)は最期の病床で、「わが国の(経済・政治)モデルは世界に災難をもたらす」と懸念していたことが、関係者の証言で明らかになった。

朱氏と親交があった当局機関の元研究員・姚監復氏が国外の中国語雑誌「新史記」の取材で経緯を明かした。

朱氏はかつて姚氏に2冊の本を推薦したという。中国社会科学院の「中国の道路と中国モデル」と北京大学・潘維氏の著書「中国道路」。

朱氏が最期の病床で姚氏に、「この2冊をよく読んで対策を講じなければ、中国は21世紀の世界の邪悪な勢力になりかねない」と心中を明かし、「このことを多くの人に警告したが、あまり真剣に受け止められていない」と憂慮した。

当時の朱氏はこう話した。「21世紀の今、欧米諸国が金融と経済危機に陥っている中、中国経済は急速な発展を遂げてきた。それにより、世界は中国のペースに引き込まれている。わが政府も様々な方法で対外宣伝、共産党文化の輸出を積極的に進め、中国モデルを世界に浸透させようとしている」

「このモデルは十数億の中国人を十分に苦しめてきた。これ以上、他の国々に災難をもたらしてはならない」と、中国モデルを世界に押し広めてはならないと朱氏は強調した。

2010年5月、北京で亡くなった朱氏は、80年代の改革派の人物で、全国のメディアを統制する中国共産党中央宣伝部トップ在任中、異見に対して「寛厚、寛容、寛大」という対応策を打ち出すなど、中国共産党の歴史上、最も見識のある宣伝部長として知られていた。胡耀邦元総書記が失脚後、朱氏も「資本主義を放任した」との理由で左遷された。1989年の「六・四天安門事件」で、政治改革を求める学生を支持し、武力弾圧を反対したため、失脚し政界から引退した。

政界引退後、朱氏は民主問題に関する文章を多く発表し、反省を深めていた。「低い人権、低賃金、農民や出稼ぎ労働者への搾取、深刻な環境汚染、高エネルギー消費の産業など、この経済モデルは続けられるのか」と警鐘をならしていた。

(翻訳編集・単馨、叶子)
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