チベットの光 (73) 学者の嫉妬
【大紀元日本11月8日】ティンリ地方にツァアオプ博士という学者がいた。この学者は心根が貧しく、金に目がなかった。しかし、彼は学者であったために、地元の住民は彼を尊敬し、宴会を催す時はいつも彼を招き、上座に据えていた。しかし、ミラレパが当地に来てからというもの、住民はミラレパを尊敬するようになり、彼は内心面白くなかった。
彼は思った。このミラレパという人物は知識もあまりないのに、なぜ自分のような学者と比肩できようか。ツァアオプ博士の心は嫉妬の炎で燃え上がったが、表面上ではミラレパを尊敬するふりをしていた。彼は尊敬している素振りを見せながら、人が集まっている所では、故意にミラレパに難解な質問をして、ミラレパの体面をなくそうとした。しかし、博士は一度としてその意を得ることができなかった。
この日、ティンリで盛大な宴会が催され、ミラレパが上座につき、この学者がその次席についた。ツァアオプは大衆の面前でミラレパに敬礼した後、宴席の中で立ったままミラレパの答礼を待ったが、ミラレパからは何の礼も返されなかった。彼は、大衆の面前で座ることもできず、立つこともままならず、大恥の極みであった。元来、尊者は修行の道に入って以来、師父の他に他人には礼をしていなかった。しかし、博士にとってはこれが面白くなく、表面では何もなかったかのようなふりをして微笑みながら席に戻ったが、内心では煮えくり返っていた。ああ!わたしのような博識の学者が、彼のような何の学問もないような人間に礼をしているというのに、返礼もしないとは!あのようにのうのうと上座について、私のような博士を次席につけるなんて、そんなことがありえようか!彼に一発お見舞いして、大衆の面前で面子をつぶさないでおくものか。
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