名監督が行方不明? 一人っ子政策違反で批判が殺到 メディア「張芸謀捜し」を呼びかけ

【大紀元日本11月28日】かの有名な映画監督・張芸謀氏が中国で「行方不明」になっている。各メディアは「張芸謀捜し」の記事を掲載するなど大騒ぎになっている。騒動の発端は今年5月、4人の女性との間に子供7人がいるとの疑惑が持ちあがったが、張監督の妻が戸籍を置く江蘇省無錫市は同監督の所在が不明だとして、調査が進んでいないと発表したことにある。

今年5月の報道によると、張監督は同市で3人の子供を養育しており、ほかに少なくとも2人の女性との間に3人の子供を設け、最初の妻との間に生まれた女の子を入れれば、7人の子供がいる可能性が出ている。

これが事実ならば、張監督は中国の一人っ子政策に違反し、罰金1.6億元(約26億7千万円)を科されることになる。無錫市は疑惑報道を受け、事実を調査すると発表したが、半年後の11月に「北京に職員を派遣するなど様々なルートを通じて探したが、どうしても連絡を取れない」と調査に進展がないことを公表した。

無錫市の釈明に「当代一の映画監督ともてはやされた超がつく有名人なのに、見つからないわけがない」、「本当に見つかっていないのか、それとも探そうとしていないのか」「普通の市民ならとっくに見つかっている」と同市の調査の怠慢に批判が噴出した。一部のメディアは「張監督の名声から恩恵を受けたいから、調査に力を入れてない」と同市のしたたかさを指摘する。

江蘇省南京市の地元紙・東方早報は27日、一面に「張芸謀捜し」との記事を掲載し、共産党機関紙人民日報電子版も同日、記事を転載。国営新華社通信電子版は26日付の記事で、「政府部門は違反者の取り締まりに多くの経験を積んできたのに、見つからないなんて、あまりにも弱い言い訳だ」と同市政府の対応を批判した。中国新聞網は「火星人になっていない限り、警察などが動けば絶対見つかるだろう」との評論記事を掲載するなど、政府メディアを巻き込む事態まで発展した。

ネット利用者からも「一般市民なら、中絶手術の強要、罰金、自宅の取り壊し、解雇などありとあらゆる手段で取り締まっているのに、有名人となると、連絡さえ取れない。いつもの活躍ぶりはどこへ行ったのか」との書き込みが投稿され、有名人に甘い政府の二重基準を批判した。さらにミニブログでは、「見つけたら計画生育局に通報するよう」との拡散メッセージが投稿された。

一方、渦中の張監督はだんまりを決め込んでいる。市民からは「公の場で説明責任を果たすべきだ」との声が高まっている。

ネット上では、張監督の作品の価値観は習近平主席が気に入らないため、一人っ子政策を口実に攻撃され、習主席が黒幕だとの指摘もあり、騒動はますます迷宮入りになりそうだ。

(翻訳編集・高遠)
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