25階建てが全焼 18年前に着工した「未完成ビル」=広州市

【大紀元日本12月18日】中国広州市で15日午後6時50分ごろ(現地時間)、25階建てのビルで火災が発生した。火は約19時間後に消し止められたが、ビルは全焼し、周辺住民約1400人は緊急避難した。

火災が起きたのは、同市越秀区起義路217号にある「建業ビル」。地元ではよく知られている「爛尾楼」(資金不足などの理由で工事がストップし、長い間放置された未完成ビル)。18年前の1995年に着工したが、1998年完成直前に工事が中断し、2000年から、開発業者は駐車場や倉庫として貸し出した。

出火はビルの5階からとみられ、大雨の中、58台の消防車、約350人の消防員が出動した。現場目撃者は「消防車からの放水は焼け石に水のようだった。燃え尽きるまで打つ手がなかった。周辺の建物に延焼させないのが精一杯だった」と話した。

このビルの防火対策がずさんであることは以前にも指摘されている。ビルの区分所有者らは、2010年から市当局に集団陳情を繰り返していたと国内メディアは報じている。それによると、ビル自体は消防検査を受けていない上、倉庫は主に靴や、服装などの可燃物を保管しており、電気の配線もいい加減で、従業員が中で炊事するなど「火災がいつ発生してもおかしくない」状態だったという。

火災発生の翌16日に現場に訪れた同市副市長は、爛尾楼から倉庫への転用や、区分所有者の陳情を知っていたとしながら、「市は対策を練ったが、開発業者は市の改善命令に一向に応じなかった」と発言した。

鎮火するまでに19時間もかかったことについて、「消防士の安全すら確保できない状況だった。出動した消防車が多いため、給水が追いつかなかった」と同副市長は説明した。

ビル周辺の住民、608世帯の1367人は、当局が用意した旅館に緊急避難した。周辺の学校や店舗なども休業した。

広州地方紙・羊城晩報など複数の報道は目撃証言として、激しく燃えていた高層階に複数の人が救助を求めていたが、助かったかは不明と報じた。一方、当局の発表では死傷者はいないという。

中国の大都市には、住宅ローンの焦げ付きや業者のトラブルによって工事が長期にわたり止まっている爛尾楼が数多く存在する。今回の火災を受け、その対応への関心が高まっている。

(翻訳編集・叶子)
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