「中国トラ保護国際基金」に詐欺疑惑 離婚裁判で発覚

【大紀元日本12月19日】絶滅が危惧されている中国の野生トラ(華南虎)を保護する国際基金に詐欺疑惑が浮かび上がった。創設者である大手ファッションブランド元役員の中国人女性とその夫との離婚裁判のなかで明らかになった。基金への寄付金は夫婦の個人的な投資信託や高価な家具、ワインなどになっていたという。17日、ブルームバーグなどが伝えた。

大手ファッションブランドであるグッチ、ベネトン、フィラの元役員を務めた全莉氏と、夫でドイツ銀行(DBK)元役員スチュアート・ブレイ氏は現在、資産5000万ポンド(約52億)をめぐり英国ロンドンで離婚手続きの裁判を進めている。

17日午前(現地時間)に開かれた審理の中で全氏は、ブレイ氏は個人資産の隠蔽にトラ保護国際基金の活動資金を利用したと供述した。ブレイ氏は法廷外で現地メディアに対して「妻の証言は嘘」と話しており、ブレイ氏の弁護士はコメントを拒否している。

中国トラ保護国際基金(中国名:援救中国虎国際基金会)は2000年、英国で全莉氏により創設された。事務所はアメリカ、香港にも設立されている。全氏は、野生生物保護活動と観光事業を成功させた南アフリカのケースに習い、俳優ジャッキー・チェン氏を大使に任命し両国のトラ保護活動の提携を促進していた。

世界自然保護基金(WWF)と中国国家林業局は、密猟と生息環境の破壊により、中国の野生トラの個体数がわずか50頭にまで減少していると警告している。

「信じられないほど悪徳だ」

英テレグラフによると全氏は裁判で、世界中から集められたトラ保護基金への寄付金を自分たちのものにするために、投資信託の資金に当てたと供述した。また「家具を買い、高級なディナーを楽しみ、高価なワインも飲んだ」とも供述した。

全氏の証言によると、元ドイツ銀行の役員(2001年に退職)である夫はその立場を利用し、基金の助成を同銀行に働きかけたという。銀行側はコメントを拒否している。

「組織の財政について詳しくなかった」と全氏は自身の詐欺疑惑を否定している。また「今後もトラ保護の活動を続けることを望んでいる」と法廷で述べた。

全氏の供述を受けてポール・コールリッジ判事は、2人が「非常に大きな規模で慈善団体と偽り金をだまし取っていたことが示唆される」「信じられないほど悪徳だ」と述べたという。

(翻訳編集・佐渡 道世)

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