中国当局が最も恐れる事態 米国の利上げ実施

【大紀元日本1月16日】米国議会上院は1月6日に、オバマ政権が米連邦準備制度理事会(FRB、中央銀行)の次期議長に指名したジェネット・イエレン氏の議長就任を承認した。イエレン氏は今月末に、退任する現議長バーナンキ氏の後任として、FRBが昨年12月に決定した金融量的緩和(QE)の縮小を進めていくとみられる。発足して100年となるFRBの初めての女性議長だ。

昨年12月下旬にロイターが行った調査では、多くのアナリストは米国が今年度末までに量的緩和を終了するだろうと予測する。これによって、いよいよ米国が利上げの実施に踏み切ることに近づいた。

1月7日、自由アジア放送は時事評論家の梁京氏が、米国の利上げ実施によって、莫大な海外投資資金が一気に中国市場から流出し、流動性が一層緊迫となり、瞬時に人民元が急落し、不動産バブルも弾け中国経済が崩壊するとの認識を示したと報じた。

米の利上げ実施時期について、ロイターの調査では2015年後半とみるアナリストがほとんどだが、しかし今後米国経済に関して雇用統計などの主要指標が強い内容でできる場合、利上げが早まる可能性が高いとされる。またFRBの金融政策を決定する連邦公開市場委員会(FOMC)代理委員でカンザスシティー地区連邦銀行総裁のエスター・ジョージ氏などの一部のエコノミストはFRBの低金利政策が長引くとかえって米国経済を損なうことになると指摘し、早期の利上げ実施を呼びかけた。

梁京氏は昨年FRBがQEの縮小計画を発表するともに、低金利政策を当面続けるとしたが、この発言は明らかに中国政府に対するものだと分析する。中国政府は現在、米国の利上げ実施で市場から資金が急激に流出することを恐れているからだ。

一方、国内経済金融評論家の牛刀氏は7日、2009年から人民銀行によるマネーサプライの急増とFRBのQEが中国不動産価格を急上昇させたとし、米のQE縮小から利上げ実施終了までのプロセスが終われば、不動産価格は2008年の水準を割り、2005年の水準までに急落するとの見通しを同氏のブログで示した。牛氏は不動産価格の急落は2014年と15年の2年間に現れると予測。

また、牛氏は米ドルが上昇基調に入れば、中国経済の繁栄虚相が次々と現れるだろうとした。昨年7月FRBは2014年1月から「バーゼル合意Ⅲ」を実行すると公表した。「バーゼルⅢ」では、金融リスクに対応し倒産の危機を免れるように国際業務を展開する銀行に対してこれまでより厳しい自己資本規制を求めるものだ。牛氏はFRBが中国を含む新興国から莫大な資金が流出することによって金融市場が混乱に陥り、そのため一部の米国大手銀行の金融リスクが強まり破産に追い込まれる可能性があると危惧しているのではないかと推測する。

(翻訳編集・張哲)
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