北朝鮮に中国6倍のレアアース埋蔵か 世界埋蔵量の2倍=英研究

【大紀元日本1月22日】最近の地質学的研究によると、北朝鮮に約2億1600万トンのレアアース希土類)資源が埋まっている可能性があるという。その量はこれまで世界で確認できた埋蔵量の2倍以上で、レアアースの9割以上を輸出・生産する中国の埋蔵量の約6倍にあたる。米国の海外向け放送ボイス・オブ・アメリカ(VOA)が18日に伝えた。

レアアースは自動車、電子機器、ハイテク機器など工業分野において不可欠な材料。研究はイギリス領ヴァージン諸島に拠点を置く「SREミネラルズ社」が2013年12月に発表した。

研究は北朝鮮国有企業「朝鮮天然資源商事(the Korea Natural Resources Trading Corporation)」との共同研究だという。SREは北朝鮮の定州で、朝鮮天然資源と25年の保証付きでレアアース採掘・開発の合弁契約を結んでいる。

英企業と北朝鮮が契約したことについて、専門家は、レアアース市場を占める中国の立場を揺るがすだけでなく、日本・韓国と、対北朝鮮関係を改善する要因にもなりうるという。ハワイ拠点のアジア・パシフィック・米国関係研究機関「東西センター(East-West Center)」スコット・ブルース氏は「もし北朝鮮がレアアース関連産業を始め、自国産業を確立できれば、近隣国と提携することができる。もはや東アジアの『厄介者』ではなくなる」と述べている。

一方、別の専門家は外交関係が改善するとは見ていない。オーストラリア国立研究大学の朝鮮問題研究者レオニード・ペトロフ氏は「北朝鮮は対外投資を継続するために必要な改革を行うとは思えない」という。日本との国交は正常ではなく、韓国政府も10年の北朝鮮との貿易取引のなかその危険性を味わった。

ペトロフ氏は、北朝鮮は今後、外貨を獲得するために軍事増強を続ける中国にレアアースを売却すると見ている。

この膨大な量については猜疑的な意見もある。韓国の北朝鮮研究所チョイ・クンソウ所長は「それほどの量はない」と発言しており、また米国地質調査所は「コメントするには不十分な情報量」と発表している。

2012年、中国はレアアースの輸出規制を行ったため価格が跳ね上がった。これに反発して日本や米国、欧州連合が世界貿易機関(WTO)に提訴した。WTOの関係機関は大筋で日米欧の主張を認める中間報告を2013年10月に通知している。これをきっかけに、各国は代理資源の開発と模索を進めることとなった。

(翻訳編集・佐渡 道世)
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