国営通信社の端ない論評 「濃霧を招いた疫病神」と離任の米大使を侮辱

【大紀元日本3月3日】辞任したばかりの米国の駐中国大使、ゲイリー・ロック氏は1日、夫人と赴任先の北京を離れ、米国に帰国した。離任直前の2月27日、中国国営通信社・中新社(電子版)は「さようなら、ゲイリー・ロック氏」と題する論評を発表し、ロック氏に対し卑劣な侮辱文言を並べた。

同記事は中国系のロック氏を、外見は黄色人種だが中身は白人の「バナナ」と呼び、「時間が経つにつれ、黄色の皮が腐り、白い中身が現れ、そのうち気持ち悪い黒色に変色する」。盲目の人権活動家・陳光誠氏を助けたことについては、「盲導犬」の役割を果たしたと複数の差別用語を言い放った。

また、ロック大使在任中、米大使館の発表が発端で注目されるようになったPM2.5について、「どうしてPM2.5を測り、ミニブログで発表するのかわからないが、これで大使館職員の手当と設備がレベルアップしたと聞いた」と、ロック大使は中国の環境を利用して自身の利益をはかったと主張した。

さらに、1週間以上にわたって濃霧に覆われていた北京はこの日ちょうど晴れたことから、「ロック氏が来たら北京の濃霧も来た。ロック氏が行ったら北京の空もにわかに晴れわたった」と、ロック氏を「疫病神」と呼び、暴言を吐いた。

全文通してロック大使への人身攻撃を繰り広げたこの記事に反発の声が殺到した。「ここまで恥知らずの文章がよくも国営メディアに登場するものだ」「ならず者の言い掛かりと同レベル」「ロック大使は鏡。こっちの醜さと破廉恥を映し出す鏡だ」「ありがとうロック大使。中国人にPM2.5を教え、中国人に真相を知らせてくれた貴方に感謝」

一方のロック大使はこの記事が掲載された翌日、大使館の公式ホームページで離任挨拶を発表した。自身の中国人のルーツと数千年来中国が世界の文明に貢献したことを誇りに思うと述べたと同時に、米国人として米国の価値観を誇らしく思うと、中国の通信社と対照的な姿勢を示した。

(翻訳編集・張凛音)
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