中国当局、英国との人権対話を拒否 人権レポートが要因か

【大紀元日本4月16日】16日に英国ロンドンで予定されていた英中人権対話について最近、中国当局からの通告で延期されることが明らかになった。中国当局によると、英国政府による人権状況に対する「無責任で無配慮な意見」を拒否するためだという。英国政府が発表した。

中国当局は冒頭の「意見」について具体的に言及していないが、英国外務・連邦省が最近発表した2013年度の「世界の人権と民主化に関する報告書」のなかで、中国が「人権状況が懸念される地域」と位置づけられたことに要因があると見られる。

同報告書は4月10日に発表された。このなかで英国政府は、中国の人権状況は「経済成長に伴い市民の社会的権利の改善は続いている。しかし、公民権や政治的な権利は未だに厳しい規制が敷かれている」とし、著しい人権侵害も見られると指摘している。例えば人権活動家の拘束、インターネットなどでの発言や表現の検閲・規制、チベットや新疆ウイグル自治区など特定民族への継続的な強制取り締まり、法輪功に対する迫害や法輪功を擁護する弁護士らの弾圧などだ。

また報告書ではいくつかの改善点についても指摘している。昨年11月、中国当局は死刑執行件数を段階的に減らすとし、また死刑囚から臓器移植用の生体臓器を摘出し利用することについては2014年半ばまでに停止すると発表している。

今回の英中人権対話の延期について、中国外務省報道官・華春瑩氏は「人と人、また国と国の間で対話が行われる場合は、相互の平等と尊厳が守られなければならない」「対話の目的は相互理解と協力関係の促進にある」と発表している。具体的な延期理由は述べていない。

中国外務省の見解が共産党の精神論を示しているとすれば、中国国内の政治機関、警察や軍の権利濫用による市民への人権侵害は、この共産党の「調和」の精神と矛盾している。

英国外務・連邦省は人権対話が一方的に延期されたことについて「失望している」と発表している。この対話の約束は昨年12月、英キャメロン首相と中国李克強首相との間で同意されていた。

対話の延期に絡んで、英国は人権報告書の中国に関する内容を変更する姿勢はない。「英国の見解はこの人権報告書で示している」と同省報道官は述べている。

(文・マシュー=ロバートソン/翻訳編集・佐渡 道世)

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