胡耀邦氏三男、天安門事件の真相隠ぺいを批判 父親の命日で

【大紀元日本4月17日】中国共産党の改革派指導者、故胡耀邦元総書記の死去から25周年にあたる15日を前に、胡氏の三男の胡徳華氏は香港メディアの取材で、天安門事件の真相隠ぺいや党内の汚職問題を取り上げ、公に当局を批判した。

14日、徳華氏は香港紙・明報の取材を受けた際、父親の死を悼むことが引き金となった1989年天安門事件について、「学生らに何の罪があるか」と憤慨し、政府の真相隠ぺいを非難した。

1980年代の中国は改革開放の進展に伴い、党内の汚職や腐敗が横行しはじめていた。そういった中、胡元総書記は清廉さと高い実務力で国民の信頼を得ていた。1989年4月、胡氏の死が引き金となり、北京の大学生数千人が天安門広場に集り追悼活動を行った。それが次第に大規模な学生民主化運動に拡大した。

今回の明報の取材で、徳華氏は「今は、学生達を歴史的な観点で再評価すべきだ」と当時の学生らの主張を支持する論調を唱えた。この発言は、習近平政権の反腐敗を意識したものとみられる。

その時から放置されていた腐敗問題について、徳華氏は「現在は、みな利益目当てに共産党員になろうとしている。周永康や薄熙来、徐才厚などの汚職幹部は、いずれも共産党の高官。周永康が1000億元(約1兆6000億円)を着服したそうだが、本当にぞっとするものだ」と痛烈に批判した。

徳華氏は香港英字紙サウスチャイナ•モーニング•ポストの取材を受けたときも、1980年代には中国に政治改革の機運があったと話し、学生運動に理解を示した。同氏によると、胡耀邦氏は1986年に言論や出版の自由を保護する法律の導入を計画していたが、失脚したため実現できなかった。「本来は言論の自由が政治改革の最初のステップだ。しかしこの基本法は27年経っても通過していない。今後も永遠に通過することはないだろう」と悲観視した。

(翻訳編集・王君宜)
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