訪韓を優先に 習近平主席が北朝鮮を冷遇

【大紀元日本7月4日】朴槿恵韓国大統領の招待を受け、中国の習近平主席が3~4日の日程で大規模使節団を率い国賓訪問のために韓国に到着した。今回の訪問は慣例を破り、主席就任後、北朝鮮より先に韓国を訪問したことが、国際社会の注目を浴びている。

過去20年間、中国の最高指導者は就任後、軍事同盟国である北朝鮮訪問を優先してきたが、今回の訪韓はこの慣例を破った。それに加え、最近、北朝鮮が3回にわたってミサイル7発を発射した。国際メディアではその関連性をめぐり諸説が飛び交っている。

英紙フィナンシャル・タイムズ(Financial Times)は先月29日、「習近平氏が訪韓を通じて一つのメッセージを出したため、北朝鮮は不快に感じたに違いない」と報じ、「より多くの兆候から、習政権が北朝鮮を危険と困惑(danger and an embarrassment)と見なしている」と分析した。

3日付フランス通信社(AFP)は「北朝鮮の金正恩第1書記は北京からの招待を待っていたが、習近平主席が先に韓国を訪問した。この動きは歴史上緊密な同盟国の間で緊張が高まっているとみられる」との見解を示した。

訪韓優先の事由について、中国外務省の劉振民副大臣は1日の記者会見で「今回の訪問はいかなる第三国を目標としたものではない。通知する義務もない」とコメントした。

今回は主席就任後、初の韓国訪問であり、1カ国を対象とした初の国事訪問でもある。また、習主席は300人以上の大規模使節団を率い、80人以上の政府代表団には、副首相クラス3名及び大臣クラス4名が含まれている。随行する大規模使節団について、韓国の日刊新聞「国民日報」は「韓国史上最大規模」と2日付で報道した。

韓国の朴槿恵大統領は昨年6月、経済団体の会長や大企業のトップなどを含む71人からなる使節団を率いて中国を訪問し、習政権から「史上最高の歓待」を受けたと伝えられた。

(翻訳編集・王君宜)
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