江沢民の側近で軍の元ナンバー2、郭伯雄も身柄拘束か

【大紀元日本7月9日】6月30日、中国軍の元ナンバー2で党中央軍事委員会前副主席の徐才厚への党籍剥奪と司法機関送致が発表されてから、元最高指導者江沢民が軍に配置したもう一人の代表者・郭伯雄の処遇も注目されていた。その身柄が拘束されているとの見方が強まっている。

中国では軍のトップは実質的に国のトップと言える。02年、当時の軍トップ江沢民は3年後に引退せざるを得ないことを見据えて、軍のナンバー2で党中央軍事委員会の副主席のポストを側近の郭に継がせた。04年には、徐もこのポストに就いたため、軍の主要人事は江沢民派の人員で固められたことになり、05年から軍のトップになった当時の胡錦濤主席は実質上、軍を支配できなかった。胡錦濤・温家宝政権の政令は「中南海(指導部)からは出られない」と揶揄(やゆ)されたのは、こういう裏事情があったからだ。

郭は徐とともに、2012年末現職を引退した。

今年4月、蘋果日報などの香港や台湾のメディアは相つぎ、郭が汚職の容疑で取り締まりを受けているとし、汚職要人を収監する北京市の秦城監獄に収容されていると報じた。 

徐に関しても、3月中旬ごろ、フランスのRFIラジオや香港メディアがその身柄の拘束を報道したが、中国政府の公式発表は長い間なかった。そして6月30日、突然、その党籍剥奪と司法機関送致の処分が発表された。

こうした状況から、郭の身柄拘束説も決してただの噂話ではないと推測する。

郭の失脚を匂わすもう一つの兆候は、その古巣である蘭州軍区の大掛かりな人事異動である。

昨年末、胡前主席の側近で北京軍区第38集団軍の長・許林平氏(57)が、蘭州軍区の副司令員(副司令官)に任命された。6月30日、徐への処分が発表されてから、同軍区はさらに大規模な人事調査を行ったと地元紙は報道した。軍のトップである習近平主席は、軍内部の江沢民派の残存勢力を抜本的に排除していると思われる。

中国国内インターネットでも郭の失脚に関する情報が飛び交っている。

大手ポータルサイト「百度」で郭の名前を検索すると、その汚職スキャンダルに関する記事や書き込みが溢れ出てくる。情報検閲が非常に厳しく行われている中国では、異例とも言える状況だ。

(翻訳編集・叶子)
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