中国独禁法違反調査 日本企業10社に208億円罰金

【大紀元日本8月20日】中国自動車業界における外国企業に対する独占禁止法調査に新たな動きがあった。中国国家発展改革委員会(発改委)は20日、日本の自動車部品メーカー12社が独占禁止法に違反したとして、うち10社に計12億3540万元(約208億円)の罰金を徴収すると発表した。

「国内の独禁法違反事案では過去最大の罰金」と国営中央テレビ(CCTV)が報じた。

違反行為を認定された日本企業12社は日本精工(罰金額1億7492万元、約29億円)やNTN(同1億1916万元、約20億円)などベアリングメーカー4社と、デンソー(同1億5056万元、約25億円)、矢崎総業(同2億4108万元、約40億円)、古河電気工業(同3456万元、約5.8億円)など自動車パーツ製造8社。

調査に協力し有力な情報を提供した日立オートモティブシステムズと不二越の2社は罰則を免除された。

中国当局は7月から情報技術、自動車業界の外国企業を中心に、一連の独占禁止法違反調査を続けてきた。欧米系フィアット・クライスラー、フォルクスワーゲン、ダイムラーの特定車種も調査を受け、当局の発表では対象は約千社に上る。

フォルクスワーゲンは同法違反で、罰金18億元(約300億円、中国紙12日報道)、BMWに罰金162万元(約2700万円、当局14日発表)が科せられた。

こうした状況において、トヨタ自動車、日産自動車、ホンダの中国合弁会社や、BMW、クライスラーなどは最近相次いで車本体や部品の値下げに踏み切った。当局の圧力を受けた措置と思われる。

同調査について、当局は「公平な競争を促し、消費者の権利を守るため」と正当性を主張しているが、「調査を利用して外国企業に圧力を掛け、自国企業を優位に立たせようとしている」と疑問視する声も出ている。

「国有企業である石油、電信、銀行大手は公然と独占を行っているが、これまで一度も取り締まりの対象になったことはない」と専門家は当局を批判した。

中国の乗用車市場では海外ブランド車の人気が高く、ドイツ、日本、米国各社が優位に立ち、国産メーカーの販売が伸び悩んでいるのが現状だ。

巨額な罰金を科せられ経営が苦しくなる外国企業の間では「当局に逆らえない。逆らえば、ますますひどい目に遭い、窮地に追い込まれる」と嘆く声も上がっている。

(翻訳編集・叶子)

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