香港行政長官の新選挙制度 英国政府は「待った」

【大紀元日本9月2日】2017年に行われる香港トップである次期行政長官の選挙のあり方をめぐって、8月31日に発表された、民主派の立候補を事実上不可能にする中国政府の新選挙制度について、香港で抗議の声が高まり、情勢が混乱する中、英国当局は調査に乗り出すと表明した。

1997年の返還時に両国間で交わした「基本法」は、「一国二制度」を根幹に香港の高度な自治権、人権及び自由を確約した。

英国外交事務委員会のオートウェイ委員長はこのほど、同新選挙制度は基本法に違反しているかを確認すべきと述べ、調査の意向を示した。

中国外交事務委員会は早くも「調査に反対」と声を荒げた。

BBC中国語電子版の報道によると、今年7月、英国議会は香港返還後30年間の発展状況を調べると宣告した。

これまでの香港行政長官を選ぶ選挙制度は、親中派大多数の「特別委員会」が候補者から長官を決める仕組みであるため、中国政府に服従する長官しか誕生しなかった。このことから、香港各界は長年、一般有権者による直接選挙で長官を決める国際慣例の「普通選挙」を求め続けてきた。今回、中国全人代が決定した新選挙制度は、「普通選挙」の名を掲げながらも、中身は完全にすり返られ、「一般有権者は投票で候補者から長官を選ぶ、しかしそれ以前に、民主派は立候補すらできない」仕組みになった。

これを受け、香港各界から抗議の声が高まった。

市民団体は、実質的な「普通選挙」を導入しなければ、香港金融街の中環(セントラル)地区を占拠する大規模な抗議活動「オキュパイ・セントラル(中環を占拠せよ)」を9月中にも実施すると表明し、学生団体も9月半ばから大学や高校の授業をボイコットする計画であるなど、情勢が混乱している。

大紀元時報の取材に応じたある中国問題専門家は香港の現状について、こう形容した。「中国政府による香港への支配は、首に巻き付けられたロープに例えられる。緊縮することはあっても、緩むことはまずない。香港人は真の民主を守りたいなら、このロープを切断するほかない」

(翻訳編集・叶子)
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