トングリ砂漠、企業汚水の不法排出で環境破壊=中国内モンゴル

【大紀元日本9月11日】中国で4番目に広い内モンゴルにあるトングリ(騰格里)砂漠では、周辺企業が汚水を未処理のまま砂漠に垂れ流しているため、地元の生態系に多大な影響を与えている。北京地方紙・新京報は9日付社説で報じ、環境破壊を顧みない「GDP至上主義」が「我々の子孫の生きる道を断ち切ろうとする行為」と指摘し、司法調査機関の介入を要求した。

それによると、内モンゴル自治区アラシャン盟から甘粛省中部にかけて広がるトングリ砂漠の近くで操業している百社以上の化学工場によって、未処理の汚水が砂漠に流れ込んでいる。砂漠にできた汚水池はいずれもサッカー場ほどの大きさで、悪臭を放ちまっ黒である。

高速道路から約100メートル離れた場所にもこのような汚水池がある。道路整備員らは仕事中にマスクを着用しなければ、ひどい悪臭で頭痛や喉の痛みを引き起こす。

地元遊牧民は、「企業は汚水が蒸発した後に残ったねっとりとした黒い堆積物を、直接砂漠に埋めている」と話した。

それに対し、地元環境当局は汚染物を砂漠に埋めるやり方を否定し、「四半期毎に地下水の水質検査を行っている。毎回とも合格だ」と主張している。

住民の張さんによると、トングリ砂漠の付近では、化学工場による汚染物質排出だけでなく、土壌汚染や大気汚染なども深刻な問題となっている。2006年、環境が急速に悪化したことによって、地元遊牧民の3万人が住居を失い、生態系難民となった。

内モンゴル師範大学教授・生態学者の劉書潤氏は記者の取材を受け、「砂漠の地下水がいったん汚染されると、修復はほぼ不可能である」と語り、「そして、遊牧民らは数千年も暮らしてきた居住地を失うことになる。トングリ砂漠は深刻な環境汚染の脅威に直面している」と述べた。

企業が汚水を未処理のままトングル砂漠に排出3 (ネット写真)

企業が汚水を未処理のままトングル砂漠に排出2 (ネット写真)

企業が汚水を未処理のままトングル砂漠に排出1 (ネット写真)

(翻訳編集・王君宜)

関連記事
香港では「国家安全法」を導入したことで、国際金融センターとしての地位は急速に他の都市に取って代わられつつある。一方、1980年代に「アジアの金融センター」の名声を得た日本は、現在の状況を「アジアの金融センター」の地位を取り戻す好機と捉えている。
メディアのスクープ話が世の中を動かす。特に最近は「文春砲」など週刊誌メディアの元気が良い。同時に報道のありかたが問われている。国が国民の幸福を奪うことがあったら、ある程度、国家権力の作ったルールを逸脱する「反社会性」を持ち、戦わなければいけない時がある。記者は反社会的な面を持つ職業で、メディアは反社会性を持つ企業なのである。
米空母、台湾防衛態勢に 1月29日、沖縄周辺海域で日米共同訓練が挙行された。日本からはヘリコプター空母いせが参 […]
上川陽子外務大臣は、パナマ在留邦人及び進出日系企業関係者と昼食会を実施した。日・パナマ間の経済分野における協力の可能性や課題、教育などについて、意見交換を行った。
2月23日午後、上川陽子外務大臣はパナマ運河視察を行った。日本が主要利用国であるパナマ運河の安全かつ安定的な利用環境確保に向けた連携を維持すると表明