新学期、生徒たちへの厳しい軍事訓練 死亡例も

【大紀元日本9月25日】中国全土の中学、高校、大学では秋の新学期に、厳しい短期軍事訓練が導入されている。名目は、学生や生徒たちの忍耐力を高め、共産党への忠誠を固持させるためだ。厳しい訓練を受けるなか、生徒が死亡した例も伝えられている。

「男子は頭を3ミリメートル以下に短く剃らなければならず、違反すれば水溜めに座らされた」――軍事訓練を受けた大学一年生は国営メディア華商報の取材に答えた。陝西省西安では、新大学生が降りしきる雨の中、軍服を着て行進の訓練を受けた、と写真付きで報じた。

小雨になると、学生たちは傘なしで行進を続けたという。隊列が乱れれば水溜めに座らされ、また再開し、乱れればまた座る。何十回と繰り返される訓練。軍の指導員は女子学生に対して、男子が罰せられる侮辱的な姿を注視するよう命じた。

この訓練の期間は学校によりさまざまで、数日から1カ月以上続く場合もある。学生たちは軍事基地に赴き、訓練を受ける。軍指導の訓練には体罰が伴い、死亡事故に発展したケースもある。

河北省保定市で9月10日、教員から「酷い疲労」のため訓練を中止した男子生徒(13)は帰宅後、頭部外傷により死亡した。両親は、ケガは体罰によるものだと考えている。山東省青島市では8月9日、男子生徒(15)が軍事訓練の最中、熱中症で死亡した。同様の事故は他省でも報告されている。江西省景徳鎮市では9月6日、軍服の着用を拒んだ女子高校生が教師に非難され、川に飛び込み、自殺した。

軍と学生の大規模な衝突も起きた。湖南省竜山県では8月25日、指導員が「注意不足」だとして1人の学生を蹴る、棒で叩くなどして暴行した。これをきっかけに学生たちが反発し、乱闘に発展した。多くの学生が負傷し、1人の教師が意識不明の重体に陥った。地元当局は、騒動に関係した10人の指導員を厳重注意した。

ミニブログ微博で100万人以上のフォロワーを持つコメンテーター・五岳散人は同騒動の翌日、「学生は従順だから受けさせることができる。それ以外に軍事訓練の目的はない」「キャンプをして動植物の知識を高めたり、慈善活動に参加することのほうが、ただ行進するだけの軍事訓練よりどれほど有意義なのか」と述べた。この発言は約3100近くの支持を得た。

(翻訳編集・佐渡 道世)

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