中国政府のプロパガンダ「孔子学院」米シカゴ大学と契約終了

【大紀元日本9月29日】米国の名門校シカゴ大学は27日までに、中国政府の実質的海外向けプロパガンダ機関「孔子学院」の閉鎖を決定した。フランスのRFIラジオなどが伝えた。

 2009年から結ばれていたシカゴ大学と孔子学院の契約は、29日に満了を迎える。大学は契約継続の交渉は「失敗に終わった」と述べている。米国で孔子学院の閉鎖はシカゴ大学が初めて。

 中国政府の出資と援助による孔子学院は政治的影響力が強いと危惧されている、海外向け中国語教育機関。過去10年間に世界中で460校建てられた。そのうち90校はアメリカの大学に設置されている。 

 今年の春、孔子学院との契約継続を反対するシカゴ大学110人の教職員が連名で請願書を大学側へ提出した。孔子学院の教育内容は中国政府が決定する。台湾やチベット問題、中国大陸で弾圧を受ける気功・法輪功に関連する事柄など、中国共産党がタブーとする問題は教材に入れられない。

 昨年11月にシカゴ大学の名誉教授マーシャル・サーリンズ(Marshall Sahlins)氏は学術雑誌ネーション(The Nation)に寄せた論文で、「孔子学院は政治的討論を検閲し、自由な意見交流を制限している。それでも米国の大学は依然として支持するのか」と意見した。

 カナダ・オンタリオ州のマックマスター大学は昨年、人権問題を理由に孔子学院との関係を打ち切った。同大学報道担当は米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)の取材に対し、孔子学院が教職員の雇用をする際、法輪功と関係する人を差別していると話している。平等な協議が難航したため、孔子学院側は20万ドル(約2200万円相当)の投資を撤回したという。

 米大学教授協会(American Association of University Professors, AAUP)は今夏、米国の大学は改めて中国政府との関係を考えるべきだと声明を出した。この中でAAUPは、孔子学院の機能が中国の国家機関と同様、学術の自由を無視しているとし、提携協議において教職員の雇用や教材の選定、学習内容の決定などすべてが中国側に従うことが条件とされているという。しかも譲歩交渉は受け入れず、提携教育機関との平等が成り立っていないと指摘した。

 

(翻訳編集・鈴木真弓)
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