中国、猿回し師らの有罪判決めぐる論争

【大紀元日本10月2日】「猿回し」は悠久の歴史を持つ中国の伝統芸能である。しかし、近年、中国当局による取り締まり強化の影響を受け、姿を消している。最近、中国黒竜江省の街頭で4人の猿回し師が猿回しを行っている時に、地元当局に拘束され、その後の裁判で判決が言い渡された。9月29日付で中国メディア・中新網などが報じたことにより、中国国内で物議を醸している。

報道によると、今年7月9日、河南省出身の猿回し師4人は牡丹江市の街頭で猿回し芸を披露していたところ、地元の森林警察に連行された。警察は4人を拘束し、6匹の猿は地元の動物園に収容した。また、所持金6200元(約11万円)も没収した。

4人は30日間拘束された後、9月23日、地方裁判所は「希少野生生物の違法輸送罪」として有罪判決を下した。しかし、全員は実刑を免除された。

4人が拘束されている間、現地の動物園に預けられた6匹の猿のうち1匹が死亡した。しかし、動物園と警察側はあくまでも「自然死」であるためとし、一切の責任を負わないと強調した。猿回し師によると、芸をする猿の訓練は複雑であるため、1匹で少なくとも1万元(約18万円)の価値があるという。

この判決に対して、社会各界から強い反響があった。一部の著名な法律専門家によると、4人の行為は重くても行政の規則違反の範疇に属すべきだ。有罪判決を下すまでは、とても妥当ではないという。

中国人ネットユーザーらも、猿回しは中国の数千年来の大道芸及び風習であるため、中国の無形文化財として保護するべきであると指摘する声もあるが、猿回しによってもたらされている衛生や環境、動物保護の問題を心配するコメントもある。

猿回し師らの有罪判決めぐる論争3 (ウェイボー写真)

猿回し師らの有罪判決めぐる論争2 (ウェイボー写真)

猿回し師らの有罪判決めぐる論争1 (ウェイボー写真)

(翻訳編集・鈴木真弓)

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