北朝鮮 米国人を電撃釈放 

【大紀元日本10月23日】北朝鮮は21日、拘束していた米国人3人のうちの1人、ジェフリー・ファウル氏(56)を釈放した。米政府は歓迎の姿勢を示した。

ファウル氏は今年4月に観光ビザで北朝鮮に入り、「聖書を流布した」との理由で逮捕されたが起訴されていなかった。健康状態は良好だという。

今年9月、米国と北朝鮮が核兵器開発問題を議論する最中、北朝鮮は、CNNとAP通信に3人への取材を許可した。その際、3人とも、米国政府高官が北朝鮮にわたり直接対話を行うよう促した。

米国務省のハーフ副報道官は、ファウル氏の解放に尽力したとして駐北朝鮮スウェーデン大使館に感謝の意を述べた。米国は北朝鮮と外交関係を結んでいないため、同大使館がかわりに北朝鮮との交渉役を担ったとみられる。

どのような経緯で同氏の解放に至ったかについて、米政府は発表を控えている。

いまだ拘束中の2人の米国人は、2012年11月に拘束された韓国系米国人の、ベ氏(24)と、今年4月に北朝鮮入りし亡命を求めたとされているミラー氏(42)。それぞれ、15年と6年の強制労働の刑を言い渡されている。

ハーフ副報道官は、両氏の解放についても「米政府は引き続き積極的な働き掛けを行っていく」と述べた。

北朝鮮了承のもとで、米空軍の飛行機がこの日、同国に向いファウル氏を連れ戻した。

過去に、北朝鮮との人質釈放交渉に参加したことがある米政府当局者は「今回、北朝鮮は米国の特使派遣や、高額な金銭を要求していないようで、これは良い兆しだ(中略)。米国と対話する意向をみせているであろう」と評価した。

ドイツ訪問中のジョン・ケリー米国務長官もベルリンで22日(現地時間)、記者会見で「数週間または数カ月以内に6カ国協議を再開できることを望む」と述べた。

(翻訳編集・叶子)
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