「笑顔なき」日中首脳会談、両国関係の行方に焦点

【大紀元日本11月11日】日本の安倍晋三首相は10日午前、中国・北京でアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に先立ち、中国の習近平国家主席と初の首脳会談を開催した。2012年以来、尖閣諸島(中国名:釣魚島)の領有権などの問題をめぐり首脳会談は凍結していた。今回の会談はその雪解けに非常に象徴的な意味を持つとみられ、日中関係の行方が注目を集めていた。

当日、北京の人民大会堂で、17日発売予定の米誌「タイム」アジア版の表紙に「習皇帝」(Emperor Xi)として登場する習主席は、安倍首相と握手を交わす際、笑顔はなく、安倍首相の中国語挨拶にも視線を合わさず何の返事もなかったようだ。

ロイター通信中国語版は、「握手を交わす際、習氏は笑顔も表情もなく、黙っていた。気まずい雰囲気になってしまった」と伝えた。報道の中で、コロンビア大学政治学部のジェリー•カーテイス(Gerry Curtis)教授は、習氏は中国メディアの報道を考慮しなければならないため、友人と会うような顔をすることができなかったとの見解を示した。

ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)などによると、安倍首相は会談後、「APECの場を活用して首脳間の対話をスタートするための静かな努力を重ねてきた」結果、日中首脳会談が実現したと述べ、「アジアの国々だけでなく多くの国々が期待していた。…その期待に応えるかたちで、関係改善に向けて第一歩を記すことができた」と意味づけた。

中国外務省は会談内容をホームページに掲載し、「歴史問題は地域の平和、安定と発展を運び、13億人の中国人民の感情に関わる」、「日本が引き続き、隣国との相互信頼を増進するのに役立つことを多く行い、地域の平和と安定を守るために建設的な役割を果たすよう望む」などの習主席の発言を引用した。

一方、今年最初の9ヶ月間で、日本の対中直接投資は40%減少したことが明らかになった。11日付米海外向け放送ボイス・オブ・アメリカ(VOA)は、極度に悪化した日中関係はすでに、互いの経済的生命線に損傷を与えたことになり、しかも、米国が絡む軍事衝突事故に発展する可能性もあるとの見解を示し、日中関係改善の緊迫性を伝えた。

今回の会談では領土問題や安倍首相の靖国神社参拝などは直接言及されなかった。待望の会談実現後、両国が今後、領土や歴史問題をめぐる緊張や対立を乗り越えられるかどうか、日中関係の行方が最大の焦点となっている。

(翻訳編集・王君宜)
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