【評論】花開く伝統文化 恐れる中国共産党 日本でも破壊工作

【大紀元日本12月17日】無神論を掲げる中国共産党は、歴史ある中華文化が再び花開くことを恐れている。隣国・日本でも、その横暴な破壊活動が続いている。伝統芸術の復興を掲げる「神韻芸術団」の東京公演を、在日中国大使館が開催予定劇場に強く中止を求めていたことが、このたび関係者の取材で明らかになった。劇場側は「日本には表現の自由がある」として、この要請を否定している。

神韻は、共産党が弾圧政策を続ける気功団体・法輪功を主体とする、音楽と舞踊の芸術団。「失われた中華文化の復興」のために毎年、世界巡回ツアーを展開している。2015年は4月18日~21日に東京文化会館(東京・上野)で日本公演が予定されている。

12日付産経新聞によると、11月6日に劇場へ大使館から電話が入り、同11日報道官と書記官2人が訪問。「舞台を提供しないでほしい」「何としてでも阻止したい」と語気を強め、公演中止を求めたという。劇場関係者は「日本には表現の自由がある」と要請を受け入れていない。

大紀元の取材に答えた神韻日本公演主催・古典芸術振興会の担当者は「劇場のみならず、日本の協賛団体・企業への圧力も絶えない。別な複数の劇場には匿名の嫌がらせ電話もあった」と話した。

中国大陸では神韻の公演は禁止され、また各国の駐在公館を通じて、当局は公演の阻止を図ってきた。ギリシャ、ウクライナ、ルーマニア、ロシア、韓国、マレーシアなどのでは、劇場側の場所提供中止により直前の公演キャンセルが多発した。香港では公演予定日の直前、中国政府の圧力を受けた香港入国管理局が、舞台制作チームのビザを交付しなかったため、開催は中止となった。

なぜ「伝統文化の復興」を妨害するのか

神韻芸術団は「失われた伝統の復興」を理念として掲げている。また中国政府も近年、世界各国に芸術団を派遣し「伝統文化」芸能の普及活動を行っている。同じ目標を持つように見える両者だが、なぜ中国共産党は神韻を妨害するのだろうか。

中国共産党が作る芸術は、数千年の歴史を持つ中国伝統文化を受け継いでいない「贋作」だということを、忘れてはいけない。中国文化は、佛教や道教の悟り、孔子や孟子ら賢者の教えが中核を成していた。この豊かな文化を、中国共産党は60年以上の統治で根源から引き抜き、枯らせてしまった。文化大革命中、寺廟が破壊されるなど文化遺産は壊滅的な打撃を受けた。

神韻芸術団のアーティストは法輪功という中国の伝統修煉法を取り入れ、神を敬い自らを律し、踊りの技術のみならず、内面の研鑽を積んでいる。神韻公演の演目にも、善悪応報などのテーマが取り入られている。本物が復興すれば、偽物は居場所を失う。中国文化の「正当な継承者」を自認する中国共産党の地位を揺るがしかねない。

自らの悪事が晒されるのを恐れているのか

そして神韻芸術団がここまで中国政府の目の敵にするのは、母体である法輪功に起因する。法輪功は15年前、中国政府に非合法化され、活動を禁じられている。政府は学習者を社会から追放し、投獄するなど根絶を図ってきた。学習者は長年、迫害の停止を呼びかける活動を行っている。神韻公演には、この迫害を表現する演目が盛り込まれている。

神韻芸術団は現在、4つの分団で世界100以上の都市を回り観客動員数100万人を超える大規模な公演を行っている。人気映画『アバター』美術監督ロバート・ストロンバーグ氏、ハリウッド女優グウィネス・パルトロウ氏なども鑑賞に訪れ、その影響力は公演を重ねるごとに強まっている。中国政府は自ら行ってきた悪事が大勢の前に晒されることを恐れているに違いない。

「反中国」ではなく「愛中国」

劇場を訪問した中国大使館員は法輪功について「反中国活動を行なっている」と言及したという。神韻芸術団は反中国ではない。愛する中国のために世界中を巡り、中国伝統文化の復興に勤しんでいる。

伝統文化が失われてからは現代の中国人に神への畏怖なく、金の亡者と化し、空気や大地は汚染され尽くした。神韻は舞踊と音楽という芸術を通じて、長い歴史のなかで中国が引き継いだ純善な道徳と倫理の回復を訴えている。自らを修め、律し、善に向かう―。神韻のステージには、中国賢者の教え、儒教や道教、仏教的価値が多く盛り込まれている。

ふたたび中国のあるべき姿を取り戻すため、神韻は毎年、世界各地で中国伝統文化の花を咲かせている。

(大紀元日本ウェブチーム)