「私の間違いを党の宣伝に利用された」 中国新華社通信元記者が謝罪

【大紀元日本1月8日】中国国営新華社通信の元記者李竹潤氏はこのほど、中国版ツイッター「微博」(ウエイボー)で、現役時代の1981年、米UPI通信社4月1日付のエイプリルフール記事「陸軍士官学校ウェストポイントは雷鋒を学習モデルに」を自身の執筆記事に引用したことを陳謝した。

雷鋒(らいほう)とは、他人を最優先し、自己犠牲を厭わない無私の象徴として偶像化された国民的な英雄である。「雷鋒を見習おう」と長年、中国共産党にプロパガンダの目的で英雄に祭り上げられた人物でもあった。一方、その数々の善行は宣伝のためのねつ造と近年、報道されるようになった。

中国政府系メディアは当時、「あの著名な米陸軍士官学校ウェストポイントに、雷鋒像はN0.1の英雄として展示されている。学生手帳には『限りのある命を無限な奉仕活動に捧げる』という雷鋒の思想が盛り込まれている」などと大々的に報じた。

2009年、中国が国連教育科学文化機関(ユネスコ)に「雷鋒精神」の文化遺産登録を申請する際、この記事が根拠の一つとなった。

中国曁南大学の呉非教授は「この記事の宣伝力は非常に強かった」と当時を振り返り、党のイデオロギーに利用されたと指摘した。

事実を確認するため、同米陸軍士官学校を訪れた中国人観光客はこの2年間、1万人に達した。2012年、駐中国の米国大使館は公式微博で、同記事内容は「デマである」と説明する騒ぎになった。

李竹潤氏は微博で、「1997年、初めてこの記事が冗談であることを知った」、「これまで様々な場で嘘だと説明してきたが、私の間違いがもたらした(洗脳の)悪影響を払しょくするため、改めて陳謝する」と語った。

(翻訳編集・叶子)
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