中国、政府調達リストから米企業製品を多数除外

【大紀元日本3月3日】ロイター通信26日付の報道によると、中国政府が決定した最新の「政府調達リスト」から米ハイテク企業の製品は多数除外された。代わりに中国国内企業の製品が加えられた。「セキュリティ上の懸念」との見方がある一方、「低迷する内需のテコ入れ」との分析も出ている。

ここ2年間、同リストから、外国大手ハイテク企業製品は3分の1を減らされ、その半分以上はインターネットセキュリティ関連のもので、新に追加された2千以上の品目はほぼ国内企業の製品だ。

最も影響を受けたのは米IT大手のシスコシステムズ。2012年の60品目からゼロになった。米アップル社の多機能携帯端末「iPad(アイパッド)」とノートPC「MacBook(マックブック)」も除外の対象。

特にウイルス対策ソフトは大幅に見直されている。中国政府は昨年から、米社製品マカフィーの仕入れを中止し、今後は同シマンテック、露社製品カスペルスキーも止め、国内企業開発のソフトを全面的に導入すると表明した。

2013年、米国家安全保障局(NSA)を内部告発したスノーデン氏が香港紙のインタビューに応じ、NSAは中国・香港を含め、世界で6万1000件を超えるハッキングを行っていると話した。スノーデン氏の告発を受け、海外企業の通信機器が中国の安全保障に被害を与えかねないとの懸念から調達リストの見直しを行ったとみられている。

2014年から、中国政府機関でマイクロソフト社OS「Windows8」の新規導入が禁止された。銀行もIBMの製品に変わって国内メーカーのものを使用するよう政府から勧告されている。 

また、中国政府は昨年末、銀行に製品を納入する外国ハイテク企業を対象に、バックドアの公開を要求したり、アップル社OS「iOS」の機密コードを公開するようアップル社から合意を取り付けるなど外国企業への風当たりを強めた。

一方、アメリカ在住の中国経済専門家・何清蓮氏は、購買先を国内企業に転換したは「内需振興につなげたい思惑がある」と分析している。近年、GDPに個人消費が占める割合は年々下がっているのに対し、政府消費の割合は増えている。低迷する内需を活性化させるための対策だと同氏はみている。

ただ、中国国内のハイテク企業の技術力は外国企業に及ばないため、「サイバー攻撃への抵抗力が弱くなる」という声も出ている。

同リストは一般公表されておらず、適用対象は中央政府機関であり、地方政府や国有企業、軍事産業は対象外だという。

(翻訳編集・叶子)
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