元衛生部次官、死刑囚の臓器移植に「周永康氏が深く関与」

【大紀元日本3月20日】中国衛生部の元次官である黄傑夫氏は16日に放送された香港の「鳳凰衛視(フェニックステレビ)」の番組で、死刑囚の臓器移植を、「周永康前中央政法委書記の主導で行われていた」と周氏が臓器移植に深く関わっていたと述べた。また、18日に発表された最高人民法院(最高裁)の2014年の活動報告(白書)は、周氏を「党の方針・政策に反する政治活動を行った」と強く批判した。周氏のネガティブキャンペーンを展開したのは同氏の起訴に向けた動きを本格化するためだとみられる。

黄元次官は番組で、死刑囚の臓器移植について、様々な利権が絡んでいるため、「非常に汚くて、得体の知れない領域になっていた」と述べた。また、透明性が保たれていないため、「ドナーの出所も数も、手術の件数も全て敏感な問題で、はっきりと説明できない」と話した。

中国政府が15年から処刑された死刑囚の臓器移植を全面的に廃止したことについて、「周永康氏という大トラの失脚でやっと実現できた」と踏み込んだ発言を行った。周永康をトップとする中央政法委員会が司法部門を管轄していたため、処刑された死刑囚からの臓器摘出を主導的に行ったと読み取れる発言だった。

中国で行われている臓器移植について、99年に中国政府に活動を禁止された気功団体の法輪功は06年から、拘束中の学習者の臓器が移植用に摘出されたと告発を繰り返している。中央政法委員は法輪功の弾圧の実行部門でもあった。弾圧開始後、中国で行われた臓器移植の件数は99年の5千件から06年の2万件に急増した。こうした事実を念頭に黄氏は死刑囚の臓器移植が「汚くて得体の知れない領域だ」と発言した可能性がある。

一方、最高人民法院(最高裁)は18日の活動報告(白書)で、「周永康と薄熙来(元重慶市党委書記、無期懲役判決が確定)らは法治を踏みにじり、党の団結を破壊し、党の方針・政策に反する政治活動を行った」と強く批判した。 

当局は19日、周氏の元側近である蒋潔敏・元中国石油天然ガス集団会長(元国務院国有資産監督管理委員会主任)(59)と、李春城・元四川省党委副書記(58)の2人を起訴したと発表した。こうした中、一連の周氏批判は同氏の起訴に向けた動きを本格化させるための世論作りとみられる。

(翻訳編集・江音)
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