天津大爆発 失脚高官に絡む内幕

中国天津大爆発発生から7日目となる18日、中国共産党中央規律検査委員会(中規委)は、国家安全生産監督管理総局のトップ楊棟梁氏(61)を「重大な規律・法律違反で調査している」と発表した。現職の前に天津市副市長だった楊氏の失脚について、大紀元コラムニストは「爆発の責任追及だけではない、複雑の政治問題が絡んでおり、この謎深い爆発は同市の政界で地震を引き起こしている」と指摘した。

中国国内メディアは「楊に対する極秘調査は半年以上続き、爆発問題は逮捕のきっかけに過ぎない」と報じた。

爆発発生直後、チームを率いて現場入りし、発表直前まで救援活動の陣頭指揮を執っていた楊氏。石油業界で22年間の経験を経て、天津市副市長を11年間務め、2012年から現職に昇進した。同じく石油業界の出身者で、天津市政府前トップで元上司の張高麗副首相と親密な関係にあるとされる。党内序列7位の張氏もまた江沢民・元国家主席の側近である。

大紀元コラムニストの周暁輝氏は「石油業界出身の楊は、業界を長く支配していた、元最高指導部メンバーで、汚職などで無期懲役刑服役中の周永康や曽慶紅元国家副主席らと、黒い関係にあった可能性もある」と指摘した。

今回の大爆発の現場となった天津を舞台に何が起こったのか、真相は明らかにされていない中、大紀元米本部は「爆発は、政治闘争で敗北しかけている江沢民元国家主席が仕掛けた習近平陣営への猛反撃で、江氏と長男は発生後身柄を拘束された」との内部情報を入手した。

最高指導部の反応も意味深長だ。爆発発生後、中規委は「調べを受けてはならない、触ってはならない特権者はだれ一人いない」と表明。これは江氏への警告メッセージと思われる。主要政府系メディアは「周永康すら完全調査を受けた。よって、天津の事故を隠ぺいする必要はない」と報じるなど同調した。

前出のコラムニスト周暁輝氏は「楊氏の失脚は現職の責任追及だけではない。必ずもっと多くの内幕が絡んでいる。天津の政界には地震が起きる」と分析した。

(翻訳編集・叶子)

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