花の模様を彫刻された古代のくし

くしの伝説と文化

くしに見る文化

 古代中国には、する人にくしや扇子を贈って自分の気持ちを伝えるという文化がありました。特にくしは「のしるし」とされ、贈る人の切実な気持ちを表します。する人にくしを贈るという行為は、「この人と一生連れ添いたい」という気持ちを意味するのです。現代でも、七夕に恋人にくしを贈る人もいます。

 その他、古代では家族が旅に出る際、旅路が順調であるように、願いを込めて髪を梳いてあげてから送り出す、という習慣があります。また、女性が嫁ぐ際は嫁入り道具としてくしを持たせ、婚礼前には家族が花嫁の髪を梳いてあげてから送りだす、という習慣もあります。この行為には、夫婦円満と子孫繁栄を願う意味が含まれているのです。

 女性にとってくしは、毎日使う身近な道具です。使うたびに贈ってくれた人を思い出すため、親しい家族やする人から贈られたものであれば、なおさら大事にするでしょう。故にくしの贈呈は、互いに大事に思っている人の間で行われてきたのです。

(翻訳編集・啓明)