薬用植物 ヒガンバナ

ヒガンバナ(彼岸花)は中国では石蒜(セキサン)、曼珠沙華(マンジュシャゲ )と呼ばれます。秋分の日の前後7日間を秋の彼岸と言いますが、ヒガンバナは見事にこの時期に合わせ、花を咲かせます。日本でよく見られる赤いヒガンバナは三倍体植物で、遺伝的に種子が出来ない品種です。しかし種子ができることも稀にあり、記者も見つけたことがあります。種子から芽が出る可能性は低く、発芽率が良くありません。多くのヒガンバナは、親と同じ遺伝子を持つ鱗茎の分裂によって株を増やし続けてきたのでしょう。

鱗茎を叩くと刺激のある独特の匂いがしますが、これはリコリンやホモリコリンなどのアルカロイド成分が含まれているためです。の他にデンプンも含まれるため、飢饉の時には鱗茎を叩いて有毒成分を流水に晒して除き、沈殿したデンプンだけを取り出して食べたそうです。毒を含む鱗茎をモグラが嫌がって近寄らないため、ヒガンバナを稲田の畦に植えると土留となり、土が流れにくくなります。

足の裏にヒガンバナの鱗茎を砕いたものを貼り付ける民間療法があります。また、膝の痛みや腫れ、腹水を取る療法も伝承されています。有毒植物なので服用すると粘膜を刺激し、吐き気を起こすため注意が必要です。

上海科学技術出版社が発刊した『中薬大辞典』にも、同じような使用法が書かれているのは興味深いところです。

(吉本 悟)

関連記事
1271年、モンゴルのフビライ・ハンが元を建て、初めての漢民族以外の皇帝となりました。その後、数十年にわたり、中国はかつてない規模の帝国となり、元は文化の多様性と国際貿易の栄えた時代となりました。
明の最初の皇帝・太祖の生い立ちは、朝廷生活とはほど遠く、彼は朱元璋と名付けられた農民の子供でした。彼は最初、僧侶の道を歩みましたが、モンゴル主導の元が朝廷内の闘争で弱体化する中で反乱軍に参加し、まもなく右に出るもののいない軍事家として才気を発揮することとなりました。
胃酸逆流の症状を抑える等、一般的な胃腸薬を服用している人は、知らず知らずのうちに偏頭痛を発症するリスクを高めているかもしれません。 このような一般的な治療薬と偏頭痛との関連性について、アメリカ神経学アカデミーが発行する「Neurology Clinical Practice」オンライン版に掲載されました。研究では、胃腸薬が偏頭痛を直接引き起こすとは断定されていないものの、両者の間には何らかの関連があるのではないかと考えられています。
子供のいじめ、自殺、暴力・・・昨今、心の痛むニュースが後を絶えません。生まれてきた時は、誰もが純粋で善良だったはずなのに、何が子供たちを悪へと走らせるのでしょうか。人生には学校の教科書から学ぶことのできない、大切な価値観があることを子供たちへ伝えることが重要です。将来を担っていく子供たちに、ぜひ読んでもらいたい物語を厳選しました。
さまざまな予測不可な症状に悩まされていませんか?一つの症状が改善されると、また別の症状が現れると感じていませんか?それはマスト細胞活性化症候群(MCAS)が原因かもしれません。