児童患者、イメージ画像。(STR/AFP/GettyImages)

厳しい中国の医療事情 小児がん患者と家族のいばらの道

「おばあちゃん、私のこと見捨てないで。元気になって学校に行きたいの!」買い物に出かけようとする祖母にすがりつき、涙を浮かべて訴えるのは、4歳の昌昌ちゃん。安徽省合肥市に住むこの女の子は、小児がんを患っている。米通信社ブルームバーグがこのほど、高額の医療費を支払えず経済的苦境に立たされている中国の小児がん患者たちとその家族を取材した。

一昨年9月に昌昌ちゃんが白血病と診断されてから、これまでに支払った医療費はすでに26万元(約486万円)にのぼる。「もし医療費が支払えなくなったら、治療をあきらめるしかない」昨年10月、祖母の李徳芳さんが口にしたこの言葉を、昌昌ちゃんはまだはっきりと覚えている。

治療費の捻出に苦しむ患者やその家族が病気の治療を断念することは、中国では決して珍しいことではない。中国のがん患者の割合は世界一高く、世界的水準からみても医療費は比較的高い。任意の医療保険は完備されているとはいえず、国の健康保険では医療費のかさむ重篤患者の治療費はカバーされていない。そのため、経済的に余裕のない癌患者は、病気と闘いながら金銭的な不安も抱えるという二重の苦しみを味わっている。

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