歴史の検閲
天安門事件の画像制限に懸念 米コービスを中国企業が買収
世界的に有名なニュース写真や映像を配給する「コービス・イメージズ」が、中国企業に買収された。コービスは1989年の天安門事件に関する写真も大量に保有しており、多くの海外メディアは、これらの写真が自由に使用できなくなるのではと懸念している。香港メディアが今月25日に伝えた。
中国の「ビジュアル・チャイナ・グループ(VCG)」の関連会社「聯景国際」は、マイクロソフトの創業者ビル・ゲイツ氏が設立した画像配給会社「コービス・イメージズ(Corbis Images)」を買収したと22日、発表した。これによりコービスの全資産と共に、傘下の「ベットマン」と「シグマ」が保有している5000万のオリジナル写真の権利も、中国企業へ移った。
写真の中には、いまだに中国政府が検閲している1989年の天安門事件の記録が数多く残されている。中国民主化運動の象徴とされる、戦車に立ち向かう反逆者「タンクマン(戦車男)」の画像も含まれる。多くの海外メディアは、天安門事件関連の画像が自由に使えなくなる恐れがあると懸念を伝えた。
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