春の食材ワタリガニ、中国「根絶やし」漁で絶滅危惧
中国漁船の密漁・乱獲により、黄海で春季に捕れるワタリガニの絶滅が危惧されている。「根絶やし」漁と呼ばれる乱獲は、ワタリガニのみならず、世界中の水産資源の脅威となっている。
中国と朝鮮半島の間にある黄海では4月、ワタリガニ漁の最盛期を迎える。しかし、韓国の国立水産研究所によると、ワタリガニの漁獲量は5年連続で減り、2011年は2.6トンだったのに対し、2015年は1.6万トン。今年は昨年比でさらに10~30%減ると見られている。
減少理由について、同所は、冬の水温の上昇によりカニの出産量が下がったことをあげたが、最大の要因は、違法に越境して操業する中国漁船の乱獲だと指摘。これによるワタリガニの絶滅に警鐘を鳴らしている。
関連記事
【大紀元日本9月9日】沖縄・尖閣諸島の久場(くば)島沖の日本領海内で7日午前、違法操縦の疑いのある中国のトロール漁船が海上保安庁の巡視船の停船命令を無視して、巡査船に衝突し、逃走を図った事件で、石垣
【大紀元日本12月13日】韓国海洋警察は12日、韓国の排他的経済水域にあたる黄海海域で、不法操業する中国漁船の取り締まりにあたった海洋警察官2人が、中国船員に刺されたと発表。1人は死亡、1人は負傷し
アルゼンチンの沿岸警備隊は14日、排他的経済水域(EEZ)内で違法操業中の中国の漁船を撃沈した。事態を重く見た中国外交部は現在、アルゼンチン側と緊急交渉に当たっている。
台湾の排他的経済水域に進入し、台湾本島北東の彭家嶼(ほうかしょ、基隆市の沖約56キロの島)海域で違法操業をおこなったとして2日、台湾海洋巡防総局の湾岸警備隊が中国船籍の漁船1隻と船員17人を拿捕した。最近、こうした中国漁船が増え、当局が取り締まりを強化している。