配給をまつ熊本県益城町の被災者。初めて大型地震を経験した在日中国人・王さんが最も印象深く感じたことは、被災者が落ち着いていること(蕭樺/大紀元)

在日中国人の目から見る熊本地震「みんな冷静」

マグニチュード6.4、また7.3を観測する大地震に襲われた熊本県。余震が続くなか、災害地帯は拡大を続けており、現在のところ44人の死亡が確認され、7万人以上が避難生活を余儀なくされている。こうしたなか、政府から派遣された自衛隊、警察、消防隊員によって、熊本県では懸命な救助活動が続けられている。熊本県在住の中国人に現地の状況を取材した。

 全ての家具が倒れ、車中で夜を明かした

最も深刻な被害を受けた熊本県益城町に住む中国人女性・許さんは大紀元の取材に対し、地震直後の様子をこう語った。「14日に地震が発生した時、自宅に大した影響はなかったのですが、ものが落ちてきてそこら中に散らばってしまいました。もしものことを考えて、子供を連れて避難所に行き、そこで一夜を明かしました。避難所には情報が適時届いていました」。余震が続いたため、避難所ではあまり眠れなかったという。

熊本県在住の王さん(女性)は16日の様子をこのように語った。「14日の地震以来余震が続いていましたが、あまり大きくなかったので大したことにはならないだろうと思っていました。まさか16日にあのような大地震が起きるなんて。電気も寸断され、暗闇の中に取り残されてしまいました。すぐに着の身着のままで外に飛び出しましたが、携帯電話と財布を忘れたことに気づき、急いで取りに帰りました。近所の人たちもみな飛び出してきて、その夜はみな、車の中で過ごしました」

王さんによると、被災地の商店は全て閉まっており、陳列棚の商品が落ちたり、天井が落ちていて、営業不能な状態だったという。

 深刻な水不足

王さんは1回目の地震よりも2回目に家屋への強いダメージを感じた。「自宅の壁には亀裂が走り、家の中のものすべてが倒れました。近所の古い民家は多くが損壊しています」。16日以降、自宅から非難する人がかなり増えたという。

現在、被災地では熊本市から毛布が配布され、自衛隊が決まった時間に水やおにぎり、パンなどの食料品を配っていて、みな並んで受け取っていると話した。今一番困っていることは水不足。飲用水は確保されているものの、自宅では断水と停電が続いているため、入浴やトイレの使用に支障がでているという。また地震の影響で地下水の水質も変わり、泥水になり、しばらくするとそれすらも出なくなってしまったという。

 被災者の冷静な対応に感服

王さんは取材に対し、被災者はみな自宅の外で過ごしていると語った。「このあたりの人はみな車を持っているので、避難用のテントを張ることはせず、たいていは車中で過ごしています。お年寄りや体の不自由な人は体育館に行くよう誘導されています」

地震とその後の災害現場を自ら体験した王さんが、最も印象深く感じたことは、被災者が落ち着いていることだったという。

「政府の救助活動が迅速に行われているだけでなく、死亡者数や災害状況などの情報も逐次発表されています。被災者の間にも混乱する様子は見受けられず、停電で信号がつかなくても道路が混乱する様子はありません。交通整理員の指示に従い、先を争うこともせずクラクションも鳴らしません」

(翻訳編集・桜井信一/単馨)

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