甘肅省嘉峪関市にある鉄鋼工場。2016年4月の発表で、中国鋼鉄価格は今年に入ってから42%上昇したことが明らかになった。(NICOLAS ASFOURI/AFP/Getty Images)

中国鋼鉄価格上昇、「持続不可能」=フィッチ

中国鋼鉄工業協会が4月19日に発表した月度報告書によると、3月の鋼鉄産出量が前年同月比で2.9%増の7065万トンに達した。年間産出量に換算すると約8.34億トンに相当し、過去最高となった。また今年に入ってから、鉄鋼価格が約42%上昇したという。

米格付大手のフィッチ・レーティングスが25日発表した研究報告で、中国鋼鉄業に新たな過剰生産と過剰供給問題が露呈した。報告書を通じてフィッチは、現在の鋼鉄価格上昇は季節的な建設活動と関係し、また商品先物市場での活発化した投機活動とも関係するため、長期的な価格上昇は持続不可能だと指摘している。また、4月の鋼鉄産出量が一段と増加するとの見通しを示した。

ブルームバーグは中国政府指導層が、このほど景気刺激策を相次いで打ち出したために、鋼鉄価格、特に異形コイル鉄筋が昨年末と比べて48%上昇したと批判した。また、鋼鉄価格の上昇は不動産価格を押し上げ、不動産市場の過熱化を招いたと指摘した。

▶ 続きを読む
関連記事
マレーシアのナジブ・ラザク首相は、4月12日、首都クアラルンプールで開催された「マレーシア投資会議」において、シンガポールとクアラルンプールを結ぶ高速鉄道(総距離約350キロメートル)建設の備忘録が、年内に署名されるとの見通しを示した。プロジェクトの落札について中国と日本が最も有力だとみられる。米VOAが報じた。
米国海外投資コンサルタント会社のロディウムグループと非営利組織(NPO)の米中関係全国委員会(NCUSCR)が4月12日に発表した調査報告によると、2015年企業買収・合併で中国企業による米国での総投資規模は過去最高150億ドル(約1兆6400億円)で、16年はさらに増加して200億~300億ドル(約2兆1900億~3兆2800億円)に達するとの見通しを示した。14年は119億ドル(約1兆3000億円)だった。