独自の教育

かわいい子には旅を! 4歳女児、中国で最も若いバックパッカー 

中国南部の暑い夏。一人っ子の児童たちは、エアコンのきいた部屋でアイスクリームを食べているかもしれない。しかし4歳の女児ウェンウェン(仮名)は違う。「中国で最も若いバックパッカー」と呼ばれる彼女は今夏、父親とともに四川やチベットの山々をする。

華西都市報が6月16日にウェンウェンの家族について報じた。彼女は1歳3カ月ごろから両親と旅をはじめた。1年のうち7~8カ月は旅に出ていて、日に5時間、15キロ~30キロメートル歩いている。

自宅は江西省上饒市にある。これまで、西へ2000キロ以上離れた雲南省、広西省、貴州省、四川省、広東省などへ旅し、中国を横断、縦断してきた。4歳の女児は雪山、海岸、森林など道なき道をすすみ、総歩行距離は推計1万キロ以上。

ウェンウェンは衣類を入れたリュックサックを背負い、野草を食事とし、夜はテントで寝る。両親は、小学校入学前まで、教育の一つとして旅を続けるという。

 父親「辛さを経験して、自律できる」

旅を続けるウェンウェンについて「幼稚園へ行かせない、極端な教育」と、インターネットでは専門家をふくめ非難の声があがっている。しかし、両親は子育てに自信があるようだ。同紙の取材に答えた母親は「学校や教科書から学べないことがある。娘は世界を感じ取っていかなければならない」と答えている。

父親は「現代の子どもは甘やかされている。辛さを経験してはじめて、自分の持っているものを大切にし、自律できるようになる」「困難を経験すること、忍耐力を持つことは、娘の自立に何よりも役立つ。他のことは、とてもシンプルになるだろう」と話した。

 幼児の旅 ネットで賛否両論

インターネットでは賛否両論が巻き起こった。反対派は、主に、幼児に危険や苦痛を体験させることについて指摘している。「この親は無知で無責任だ」「子どもは、小学校入学前まで、家族など保護者とのつながりがもっとも大切だ。社会で独立できるよう、安心感のなかで育てなければならない」。

スポーツ医学の専門家は、幼児期に肉体を酷使すると、免疫力や身体の成長に影響が出ると懸念している。

取材に応えるウェンウェンと父親(新浪微博)

一方、独自の道を切り開くウェンウェン一家を賞賛する声もあがった。「自分に合う道を歩む勇気がある」「幼稚園へ入れず、自分たちの方法で教育する、というのは喜びに違いない。私自身、子どもの幼稚園を辞めさせ、自分で教えることを考えたが、世間体に耐えられないと思った」。

教育専門家は「鍛錬することは体罰と異なる。親は、これから社会人になる子どもが独立独歩で自分の道を歩めるよう、育てなければならない」とウェンウェンの両親の子育てを肯定した。

両親は結婚前からバックパッカーとして旅するのが趣味だった。以前は上饒市で小さな会社を営んでいた。ウェンウェンを連れての旅で、最初にたどり着いたのは2250キロほど離れた雲南省プーアル市。

ときどき、ウェンウェンは足の水ぶくれや疲れで歩くのを嫌がった。両親は訴えを無視して旅を続けた。やがて、ウェンウェンはついてこられるようになったという。「小さい子は甘やかせば、弱くなる」。父親は、人生の道のりが厳しいことを教えている。「娘は可愛い。鍛えて力をつけてあげたい」。

(翻訳編集・佐渡 道世)

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