中国江蘇省の江南大学法学院社会心理学の副教授王君柏は、2015年夏の休暇に、生まれ故郷の湖南省の村に帰省し、そこで見聞きした農村部の深刻な現状を考察メモとしてまとめた。ネット上で公表された彼の考察メモは大反響を呼んで多数のメディアに転載された。(Getty Images)
中国農業の深刻な現状

先のない中国農業 農村社会の復活に打つ手はあるのか(1)

「70後不願種地、80後不会種地、90後不提種地(70年代生まれは畑仕事を嫌がり、80年代生まれは畑仕事ができず、90年代生まれは畑仕事の話題に触れない)」。これは中国で流行っている、働く世代の農業離れを表した句だ。現在、中国の農業を支えているのは老人と中年女性で、若い世代は都市部で働いている。中国の農業の将来性が危ぶまれている。

 「農業で生計を立てるなんて、期待していない」

人民日報ネット版は5月29日、河南省、山東省の農村地域を対象にした実態調査の結果、55歳以下の住民はほぼ農業に従事しておらず、興味もなく、そもそも農業に関するノウハウを持っていないことが明らかになった。

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