大紀元評論家周暁輝氏コラム

唐山大地震から40年 習主席の積極的姿勢を読み解く

7月28日、20世紀最大規模の震災関連被害を出した唐山大地震から40年目たつ。中国の歴代の指導者層は、追悼行事に目立った対応を取ってこなかった。だが今年、習近平国家主席は唐山大地震の追悼行事に積極的な姿勢を見せた。これは何を意味しているかについて、大紀元評論家の周暁輝氏が読み解く。

今年の7月28日、唐山大地震から40年目の節目を迎えた。海外メディアは関係者からの情報として、これまで中国当局はこの地震による死亡者数を24万人と発表してきたが、実際には70万人に達していたことを報じた。また地震の規模も政府公式発表のマグニチュード7.8を上回っていたことも明るみに出た。だが、地震の全貌はいまだ当局から伏せられたままだ。

これまで中国の歴代の指導者層は、毎年7月28日に行われてきた犠牲者の追悼行事に目立った対応を取ってこなかった。だが今年、習近平国家主席は唐山大地震遺跡公園で献花を行い、記念壁に向かって深々と頭を下げた。さらに唐山身障者療養所などを訪れ、その後のフォーラムで防災や災害救助について語った。中国メディアもこうした習主席の唐山での一連の動きを、トップ記事扱いで報道した。

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