9月14日、上海市政府は、習近平国家主席の元部下で同市党委副書記の応勇氏が同市副市長の兼任を発表した。翌日、人民解放軍上海警備区の司令官らが寄稿した記事の中で習氏への忠誠心と、江派閥の排除を目的にした同市新人事への支持を示した。(JOHANNES EISELE/AFP/Getty Images)
中国政治

上海市副市長に習近平氏の元部下が就任 「上海閥」人事整理か

中国上海市政府は14日、同市の「第14回人民代表大会常務委員会会議」の審議を経て、同市共産党委員会(以下党委)副書記の応勇氏を同市副市長に任命したと発表した。時事評論家は、習近平国家主席の部下だった応氏の就任に、江沢民派に近い「上海幇」の人事整理が行われると予想している。

上海市は江沢民派閥の地元で、その利権は根強い。また、上海市党委書記に選ばれる人は、来年開催される「19大」(中国共産党第19回全国代表大会)で党中央政治局常務委員になる可能性が非常に高い重要人事。上海と同じ区直轄市の天津市では13日、市党委代理書記の黄興国氏が失脚し、新たな市党委書記の人事が発表されたばかり。習近平政権による直轄市の人事整理が続いている。

中国時事評論家の華頗氏は大紀元に対して、「この人事調整から、(中国共産党中央政府が)上海市政府指導部に対してメスを入れ始めたことを見て取れる。次は、江派閥の楊雄・上海市長と韓正・市党委書記がいつ退任するか、また誰が新しい市長、または市党委書記に就任するかに注目を集めている。上海市党委書記の人事は、共産党中央から指定される可能性が高い」と分析した。

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中国政府は8月28と29日に、新疆ウィグル自治区など6つの地方政府トップの人事調整を行った。専門家は地方トップの人事調整は、習近平政権が来年秋に開催予定の中国共産党第19回全国代表大会(19大)に向けて、反腐敗キャンペーンや経済改革に抵抗する江沢民派閥の崩壊が狙いだとの見方を示した。
 中国共産党中央紀律検査委員会(中紀委)は10日、天津市共産党委員会(以下党委)代理書記で同市トップの黄興国氏が「重大な紀律違反がある」として調査していると発表した。当局は13日、失脚した黄氏の代わりに、湖北省党委書記の李鴻忠氏が天津市トップに就任させたとの人事を発表した。