土砂崩れの危険箇所は日本全国で56万箇所もあるという(Getty Images)
突然!の土砂災害に備えあり

風力発電会社社長・工学博士 橋田洋氏ら 土砂崩れ警報装置を開発

今夏は雨が多かった。ゲリラ豪雨も発生し、九州を中心にがけ崩れが頻発した。特に4月、震度6強の地震で地盤が緩んでいた熊本県では、土砂崩れにより5人の命が失われた。土砂災害からの回避には、できるだけ早く危険を察知し避難するのが望ましいが、個別の判断は難しい。そこで、富山と鹿児島の会社が共同して、国内で初めてとなる土砂崩れ警報装置を開発した。

警報装置を開発したのは、風力発電事業を手掛けるTOYAMAX(富山県高岡市)の代表取締役で工学博士の橋田洋氏(66)と友人であるエーディーシステム(鹿児島県薩摩川内市)代表取締役の大迫芳朝氏(66)。

開発者の橋田洋氏

土砂崩れ警報装置は、土砂崩れを感知するセンサーと、受信機からなる。土砂崩れ発生時、山などの危険箇所の地面に突き立てたセンサーが即時に電波信号を送ると、受信機は警報音を鳴らすというもの。

センサー本体
受信機

大紀元の取材に答えた橋田氏は、開発にあたり、センサー内の電波通信装置の小型化には特に労力を注いだ。センサー本体が小さくなければ、うまく土砂崩れを感知できない。小型化には、多くの時間と財力と多くの人の助言や援助を受けたという

価格は6万円〜7万前後に抑えた。「このような低価格帯の土砂崩れの警報装置は世界を探してもまだどこにもないのではないだろうか」と橋田氏は力説する。

昨年の政府広報によると、土砂崩れの危険箇所は全国に53万箇所存在する。いっぽう、橋田社長は、海外での必要性にも目を向けている。「今、日本だけでなく世界的に土砂崩れの被害にあっている人が増えている。多くの人を助けられれば」と大紀元に答えた。

橋田社長は力強く抱負を語った。「世のため人のため、他の人がやらねば自分がやると強い信念を抱いて正直に努力してきた。この成果に甘んずることなく、さらに小型化し、高性能のものを開発していきたい」

土砂崩れ警報器の問い合わせは、橋田社長まで

         ★連絡先 090(2125)8844 

         ★メールアドレス tiger-hashida@nyc.odn.ne.jp

 

(文 大道)

 

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