中国政府の指名手配トップ汚職高官、13年ぶり自首帰国、逮捕

中国政府が発行した100人の国際指名手配者リストのトップとしてしられる、汚職を行った元高官・楊秀珠容疑者(70)が11月16日午後、自首するため米国から帰国し、逮捕された。香港メディアは以前、楊容疑者が本国に送還された場合、江沢民派の常委、張徳江の汚職が明るみに出る可能性があると報じていた。

楊容疑者は13年に渡り海外で逃亡生活を続けてきた。中国共産党浙江省温州市の副市長や浙江省建設庁の副庁長などを歴任。中国当局は、同容疑者が汚職により2.5億人民元(約39億7000万円)を着服したことを公表している。

北京当局は15年4月、海外逃亡中の汚職官僚に関する国際指名手配者100人のリストを公開したが、楊容疑者をそのトップに指定し「中国第一女巨貪(中国一の女汚職官僚)」と形容した。

汚職追及の恐れから03年4月に国外逃亡し、その先は香港、シンガポール、フランス、オランダ、イタリアなどを転々としていたことが明らかになっている。フランスとオランダで、身柄保護を求める申請を出したが、いずれも不受理。14年5月に渡米し、米国に同様の申請を出していた。しかし今年7月、同容疑者は代理人を通じて、申請を撤回して帰国したいと申し出ていた。

江沢民派の汚職情報握る人物の逮捕 さらなる腐敗が明かされるか

香港メディアは、楊容疑者には5年間の省級官僚の経験があることから、省級の古参幹部の裏事情や、現常委で江沢民派の張徳江氏の汚職に関する情報にも通じているのは確実だと報じている。

張徳江氏は江派の主要メンバーの一人で、習陣営と江一派の攻防戦において、自身が掌握している人民代表大会や香港・マカオ小組組長としての権力を利用し、習国家主席が実施しようとする数々の政策を妨害し続けていると伝えられている。

(翻訳編集・島津彰浩)

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公的資金を横領し、12年前に中国国外へ逃亡した浙江省の元高官・楊秀珠(69)が最近、米国でメディアの取材に応じ、逃走の理由は「江沢民元国家主席の家族の怒りを買い、政治的迫害を恐れたため」と主張した。国連の反拷問条約に基づき、楊は、強制送還は避けられるという。専門家は、楊のケースは、他の海外逃亡中の汚職官僚に「生きる道」を示したと分析した。