高智晟弁護士(新唐人テレビよりスクリーンショット)
不屈の精神

高智晟弁護士「絶対にヒラリー・クリントンに投票しない」(1)

中国共産党により、約10年前から迫害されている中国本土在住の人権弁護士・高智晟(こう・ちせい)氏は、米大統領選前に「絶対にヒラリーに投票しない」との文章を大紀元に寄せていた。同氏の主張では、秘密警察から聞いたところによると、ヒラリー氏は中国人権問題に介入しないとの中国側の要望を受け入れて、中国当局から高額な賄賂を受け取っていたという。下記はその文章の抄訳。

原文:中国語大紀元電子版 『高智晟:絶不投希拉里(絶対にヒラリーに投票しない)』 

私の文章は、選挙活動に努めているクリントン氏には何ら影響を与えないはずだ。一部の知識者からは「何様のつもりだ」と笑われているかもしれない。中国の文人は、昔から、政府との間で面倒を引き起こさないように、ものの言い方には気を配っていた。裏に役人や政府の圧力があったのかもしれない。いずれにせよ、これは中国の実状だ。

また私には、「軽率で空気を読めない」という欠点がある。だから、いつも「誤りを犯して」いる。政府に迫害される法輪功を弁護したとき、一部の文人に批判された。また、一部の欧米側の政治家が中国共産党のゴロツキと手を結んで、不義の利益を図ったことを非難したときにも批判された。「適切ではない、軽率な行動だ」「頭がおかしくなったと疑われているぞ」「政治家が国益を図るための行動だ。至極当然のことだ」という。

「頭がおかしくなった」と言われても気にしないが、ただこの言葉には、ヒトラー、ムッソリーニなどの各国指導者も、みな「国益を図る」ためだったのではないかとの疑問が残る。

ヒラリー氏の「国益を図って」中国から金銭受領か

秘密裏の場所で拘束されていた私は2009年、秘密警察から、クリントン氏がいかに「国益を図った」かを聞かされた。私のような「頭がおかしくなった」人の前では、中国共産党の警察らは自分たちの考えや感情を隠すこともなく、「誠実」だった。

ヒラリー・クリントン氏が中国に来た途端、人権や高智晟の問題を話しながら、1兆元をくれと要求してきたんだ。もちろん、われわれは彼女が何を欲しいか分かっているから、彼女に8000億元を渡した」「彼女はお金をもらった次の日、人権問題や高智晟問題を全く言わなくなった。しかも、彼女は『米中間の意見不一致は両国の関係に影響を与えない』と話した。

つまり、人権問題では米国は今後も異議を唱えるものの、中国の方法で行えばいいと言っているのと同じ」と、ある一人の秘密警察が、興奮して私に話した。自分の太ももを叩きながら、「(中国は)金を持っているんだな!」と叫んでいた。

私はまだ、「国益を図るのは至極当然のこと」に賛同できない。米国などの欧米諸国の一部の政治家はここ数年、中国共産党というテロ組織が、国内で冷酷な人権迫害を行っていると知りながら、平然と中国共産党から桁違いの「血の付いた利益」を受け取っている。この世界では、中国の文人以外、大多数の人々はこの事実を知っているはずだ。

私たちが今、必要としているのは、この邪悪な取引関係を阻止する力だ。私の「おかしくなった頭」では、「血の付いた利益」よりもっとうまく表現できる単語を見つけられない。

中国共産党が他国の政治家と取引するのに使われる財には、中国国民の血と涙がどれほど染みついているのだろうか? よく中国国内で起きている「強制立ち退き」は、最も邪悪で、最も大規模な財産略奪だ。生計のために、露店や屋台でわずかの商売をする農民たちを警察らが厳しく取り締まることも、また財産の略奪だ。

この国には、お金がないとの理由で病院に行けず病死した人、障害が残った人、あるいは自殺した人がどれほどいると思っているのか? 貧しいとの理由で学校に行けない子供、学費の支払いに苦しみ自殺した親は、どれほどいると思っているのか? 中国は「こんなに金を持っている」。それは長い間、国民から略奪してきたものだ。

(つづく)

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高智晟弁護士「絶対にヒラリー・クリントンに投票しない」(2)

高智晟弁護士:中国ハルビン出身。クリスチャン。2008年、2010年ノーベル平和賞候補者。2007年、米国弁護士協会の「勇敢なる提唱者賞」受賞。

高氏は1996年から人権侵害を受ける社会の弱者層に法的支援を提供し、無償弁護を行ったことで高名となる。弾圧されている法輪功やキリスト教「地下教会」のメンバーの弁護を引き受け、中国最高指導部に法輪功弾圧の中止を求める公開状を送るなどしていたが、2006年8月に逮捕。国家政権転覆罪で有罪判決を受けた。拘留中は残酷な拷問を受けたと著書で明かしている。現在も私服警察の監視が続いており、半ば軟禁状態にある。

(翻訳編集・張哲)

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